西の湖の湖畔、あるいは西の湖に流れ込む川岸を散歩しているとしましょう、散歩に疲れてふとたちどまった時に見る風景が絵の様に美しい、ちょうど美術館を訪れて、つぎつぎに部屋から部屋へ絵をみて歩くのと同じように、西の湖周辺の場所場所に楽しめる美しい風景を作って行こうと言う提案です。美術館の建物を作ろうということではありません。また、美術館は集めてきた絵や彫刻を時代を越えて長い年月大切に保管しています。 それと同様、美しい風景をつくりあげ、それを聖域として大切に守って行こうという呼びかけなのです。
風景(景観)の保全も、環境の保全も同じことだと思うようになったからです。 西の湖周辺のヨシ原に代表される自然の風景は、手つかずの自然ではありません。どこかで必ず人の手が入った自然になっています。風景はその時代の暮らしを映し出している鏡なのです。暮らしが荒れたらヨシ原も荒れる。町並みの乱れはコミュニテイの乱れ、風景(景観)の荒れようや乱れようを見て自分達の生活を省みてみる。 持続可能な社会へのアプローチは風景(景観)の保全から入るのが案外早道かもしれないと考えるようになったからです。
日本人が持続可能な暮らしをしていた時代の景観がモデルになります。 これからの時代、持続可能な暮らしをしないと地球の資源や気候が持たないことがはっきりしてきています。自分の子孫は自分の将来の姿、それを困らせるようなことを、現在の自分がしていることに気がつき出したのです。そうはいっても新しい持続可能な暮らしはどのような姿になるのか未だ姿が見えてきてはいませんが、大中の湖、そして小中の湖の干拓前の風景(景観)と環境を目標にしていきたいと思っています。
大中の湖・小中の湖の干拓前の水質のデータはありません。そこでどのような水質の水にどのような魚が住むかを手がかりにして、大中の湖、小中の湖の干拓前に棲んでいた魚の代表に「オイカワ(ハイ)」を選びました。西の湖のあらゆる所を「オイカワ」の棲む 水質(水質B:ややきれいな水質)にするのが第一目標です。
田圃から代掻きの泥水を流さない、そのために耕さなくて済む米作り技術を確立する。消費者が農薬、化学肥料、添加物が入った農作物は買わない、少々高くついても安全・安心の農作物をほしいと言い出すと、農家もそのために知恵をしぼる。ヨシ原の手入れ・湖の水草の採取が収益を生むようなコミュニティビジネスを工夫する。湖底の泥上げ、上げたあとの覆砂など行政の力に住民の力を併せて手入れすると、西の湖に多くの生き物が戻ってくるしそのなかにきっと「オイカワ」が混じっていると思っています。
治水、利水も人間にとって大切なことです。でも環境や景観とうまく調和する仕事が出来るとおもっています。それはこの流域に住む我々次第だからです。
その代表例は次の通りです。 景観について:ヨシ原の保全を新しいビジネスで行なえるようにすること。 環境について:生物多様性の復活を図ること。その手始めに湖底の泥を浚渫し、昔砂地であったところを覆砂して、貝の復活を図ることから着手すること。 治水について:琵琶湖の高水対策のため西の湖の周囲の堤防の嵩上げ-工事が必要になり ますがこれを機に、この堤防を西の湖を一周出来る自然観察周回道路とし て利用する意見を提案し実現を図ること。 利水について:既得権の洗い直しの上、使っていない設備の撤去を求めること。
本当です、何故そうなるか気になる人は資料版を御覧下さい。
楽しいことから始めようと思っています。そこで、例えば、それぞれの集落が競争で地元の水環境を整えて蛍の飛ばしあい、トンボの飛ばしあいを始めてくれませんかね。