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西川嘉廣さん 西川嘉右衛門商店会長 |
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ヨシ博物館とは?![]() |
第135回 | 葦ペンの歴史 |
2005年7月14日 菱川貞義 |
ヨシ茶やヨシゼリーなど、青いヨシによる東近江水環境自治協議会の取組みが、今年も経済産業省の環境コミュニティ・ビジネスモデル事業に採択されました。 ヨシ茶はまったく新しく開発され、すごくおいしくて、ビジネスとしてとても有望な商品なのですが、ぼくは秘かに、ヨシペンももっと環境ビジネスに貢献できたらいいな、と思っています。ヨシペンは以前から存在する商品ですが、手にした人はほとんどいないでしょう。でも、この、絵を描くのが楽しくなる画筆をもっと普及させることができたら、「絵を描く」楽しさを日常に取り入れる人も増えるのでは、と想像しています。 |
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読んで見て、まずおどろくのが、ヨシペンはとても古くから愛用されていたということ。5000年前のメソポタミア文明の時代にまでさかのぼり、シュメール人が紀元前3100年頃に人類最初の文字であるウルク絵文字を発明したとき、ヨシの茎でつくった尖筆を使用して粘土板上に書き、乾かして保存していたとのこと。古代エジプト文明の時期にパピルス紙が登場したときも、象形文字の筆記にヨシペンが用いられていたそうです。 文字を書くためだけではなく、画筆としてヨシペンを愛用していた画家も多いですが、中でも、ヨシ博士はヴィンセント・ヴァン・ゴッホを取りあげています。ゴッホは、ヨシペン単独、あるいは他の用具を併用した作品を、短い生涯のうちに80余点も遺していました。彼はまた、創作意欲をかき立てるヨシペンを友人の画家にも勧めていました。 そして、現代日本におけるヨシペン画家の双璧として、諸藤浩之画伯と小松欽画伯を紹介されています。諸藤先生はこの「おもしろエコびと」でも度々登場してもらっていますが、著作のひとつ「葦ペンスケッチのすすめ」(日賀出版社)の中で、「葦ペンの楽しさは、(略)、ペン先の角度や筆圧の強弱などに変化をつけることによって、さまざまな線質が表現できるところにある。この、他の画材では得られない手法によって、対象の表情を効果的にとらえることができる。」と書いていることが取りあげられています。 |
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さらに、小松先生の高弟で、滋賀県秦荘町出身の山田慶子さん(東京在住)や、ヨシ博士の周辺でヨシペン画の普及に努めている、細矢昌孝さん(安土町在住)や森田洋子さん(京都在住)を紹介しています。 みなさん、どうですか、ヨシペンを手にしてみたくなったでしょう。何か描きたくなったでしょう。そして、もっと“ヨシ”のことを知りたくなったら、ヨシ原に囲まれたヨシ博物館にお出かけください。 |
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同じ冊子の中で、ヨシ博士が、ヨシに関するなぞなぞ(「世界なぞなぞ大辞典」(大修館書店)に収蔵)を紹介しているのですが、その中からひとつ紹介します。ヨシが社会生活に深くかかわっていたこともよく伝わってきます。 その子供時代にはロバがそれを食べ、国の王さまがそれで税を取る。もしそれが背いて頭を下げると、刀で首を切られる、それは白い道を歩み、黒い水を飲む。(イラン) |
(つづく) |