西川嘉廣さん
西川嘉右衛門商店会長

 
 
  ヨシ博物館とは? 
第154回

ヨシと内湖の今後

2006年5月4日 菱川貞義

 3月11日(土)、ヨシ刈りボランティア・クロージングイベント「西の湖 夢さがし」が近江八幡円山で行われました。この日はまったくよい天気に恵まれ、ヨシ原が一段と美しく輝いています。参加者も多く、朝早くからヨシ刈りを楽しんでおられました。

 子どもたちもどんどん奥に分け入り、ヨシと格闘しています。鎌の使い方も最初はおっかなびっくりでも、少しずつ自信がついていくようです。
 「もうこんなに丸立てができている」と思ったら、

 よし笛ミニコンサートのステージの一部でした。菊井 了さんと近藤ゆみ子さんが毎年欠かさずにコンサートを開いてくれています。ヨシ原によし笛は、当たり前ながらほんとうによく似合っています。よし笛のやさしい音色は何度聴いても飽きないです。

 午後からは円山町自治会館で、ヨシ博士のご挨拶のあと、音楽紙芝居「ヨシ物語」、よしペン画、西の湖の押し花絵・ヨシ工作教室が行われました。はじまったときは来場者がまったくいなくて、「どうしたのか?」と思いましたが、しだいに続々とみなさん集まって来られました。

 どうやら、ヨシ刈りに夢中になっていたのと、ヨシ刈り会場と自治会館のあいだを舟で水郷を楽しみながら移動された方が多かったようです。

 結局、たくさんの方が音楽紙芝居などを楽しみました。小グループによる小冊子「西の湖からのメッセージ・鳥便り&花便り」やヨシアート作品の展示もとても見ごたえがありました。

 イベント会場の近くでは、ひっそりとヨシ業の風景が広がっていました。しかし、近ごろの人びとのヨシへの関心の高まりがヨシに活力を与えてくれそうな気がしています。

 JR安土駅から琵琶湖に向かって歩いていくと、西の湖に着いたところに看板が立っています。そこにはまず、こう書かれています。

「春色安土八幡の水郷 ー 近江八幡の水郷は近江八幡市街地の北東部から長命寺へかけての入江を経て、円山を通り西之湖を眺望する当地一帯といわれている。往時は地形上内湖と称えられる入江が広がり、掘割に葦刈船が出入りし、特色ある水郷風景であったが、次第に内湖は干拓化され一大田園地帯に変ってきている。」

 そして、歴史はさらに変化し、「多様な住民による新しいアイデアによって、ヨシが生活や芸術分野に重宝され、西の湖も美しく浄化され往時の水郷が蘇った」というようになるでしょう。

(つづく)