西川嘉廣さん
西川嘉右衛門商店会長

 
 
  ヨシ博物館とは? 
第156回

農ヨシ会議

2006年6月1日 菱川貞義

 安土の弁天さんにやって来ました。4月14日でしたが、ちょうど桜が満開です。でも、目的は弁天さんでも桜でもありません。となりの弁天会館で、豊葦原が広がる西の湖の農業についての会議に出席するのが目的です。

弁天さん 弁天会館
 実に多様な面々が集まりました。今回、ヨシの会議にはじめて、京都大学農学博士の西村和雄さんも参加しています。
会議

会議

 議論はすぐにヒートアップし、
「現場に行きましょう」
と、皆でぞろぞろ歩き出しました。
まず、重野さんたちが力を入れているアスパラガスの実験ほ場に到着しました。ヨシと、西の湖の湖底にどんどんたまってくる汚泥を活用して栽培しています。西村さんも現場を見て、説明を聞いて、興味津々のようです。

アスパラ

アスパラ

 新しいアスパラガスが顔を出しています。これから次々と成長して収穫できるそうです。
また、皆で歩き出しました。次の目的地は少しはなれているのですが、おかまいなしにずんずん歩いていきます。とうとう、西の湖に行き着きました。

 3週間前の前回来たときに比べて、ヨシの芽がずいぶん伸びています。前はちょろちょろだったのですが、今日はヨシ原全体ににょきにょきと、なんかヨシの“元気”を感じます。

西村先生

ヨシの芽
ヨシ地

 内湖の複雑で不安定な形の湖岸に面していて、ヨシ原はせまってくるし、ほ場整備もなく、これまでの価値観ではまったく効率のわるい田畑が広がっています。

 西村さんはここの土を見てびっくりしました。
「ここの土はうらやましいです。条件はありますが、すごくいい野菜が採れますよ」

土がいい ヨシ原
田んぼ  ここでは、まず、農薬や化学肥料に頼らない色々な農法で、のんびりと田んぼをすることになっています。農業専用でなくても持てる機械でのんびりとやる農法。また、何も機械をもっていないので鎌と鍬でのんびりとやる農法など。いずれにしても西の湖とヨシ原の風景にふさわしい農の実験です。
西の湖と田んぼ

 西村さん、西の湖とヨシ原が広がる風景のなかで農ができるのもうらやましいでしょう。そうそう、西村さんの著書で「有機農業コツの科学」という本があります。これはとってもおもしろいです。のんびり農業ができる知恵がいっぱいつまっています。

 このあと、また弁天会館にもどり、夕方にはヨシ博士も忙しい合間をぬって駆けつけ、さらに話し合いが延々と続きました。ヨシのことになるとやっぱり話は尽きません。

(つづく)