第81回

2005年11月24日 菱川貞義
京都議定書は話題にならず
日米首脳会談で

 16日の日米首脳会談で、地球温暖化防止に向けた京都議定書は話題とならなかった。議定書採択の地・京都で開催された会談だったが、日米の首脳は温暖化防止について何一つメッセージを発信しないまま終えた。
 
 会談内容を報道陣に説明した外務省幹部は、京都議定書を含む温暖化防止の問題に触れられたのかとの質問に「言及はなかった」と答えた。
 
 京都議定書は今年2月に発効したが、ブッシュ政権は2001年に離脱を表明し、02年の日米首脳会談では「議定書は米国経済に悪い影響を与える」と批判。一方で独自の温室効果ガス削減策をまとめ、今年7月には日米など6カ国で温暖化防止技術を協議する枠組みを新たに発足させた。
 
 会談前、外務省は「ポスト京都」といわれる13年以降の温暖化対策について、両首脳が協力を確認する可能性も示唆していた。
 
 環境問題に言及がなかったことについて、山田啓二京都府知事は「京都議定書に対する具体的な考え方や、それに代わる枠組みを、本当は提示していただきたかった」と残念がる。
 
 NPO法人「気候ネットワーク」(京都市)の田浦健朗事務局長は「京都に来て一言もないのは首脳としておかしい。残念だ。京都議定書と、6カ国の枠組みという2つのスタンダードをどう乗り越えて将来の枠組みをつくるのか、懸念が強まった」と話した。
<京都新聞:2005年11月16日>

 いま、まちがいなく最も重要な問題のひとつに対してこのような情けない状況をつくりだしているのは、わたしたち自身です。何よりわたしたちがどうでもいいと思っている証明です。しかし、これはほっておけないので、さて、どうすべきなのでしょうか。

移入種ボタンウキクサ 琵琶湖で大繁殖
水生生物へ影響懸念

 琵琶湖岸で、浮遊性の水草ボタンウキクサ(ウオーターレタス)が近年、繁殖地を広げている。熱帯に分布する移入種で、内湖や水路で増えた株の固まりが琵琶湖にも流入し、草津市や守山市の湖岸べりを黄緑色に覆っている。
 
 滋賀県立琵琶湖博物館によると、ボタンウキクサはサトイモ科の多年草で、レタスに似た株は直径10−20センチに成長するという。春から夏にかけて水中で枝を伸ばし、先端に新たな株を次々とつけていく。1990年代に観賞用として広く輸入され始め、琵琶湖周辺では、2000年ごろから内湖で大繁殖が確認されるようになった。
 
 爆発的な増殖力を持ち、昨年は大津市の堅田内湖で夏から秋にかけて湖面の半分を覆い、市が約60トンを除去する事態も起こった。草津市や守山市の琵琶湖に通じる水路では、同じ移入種の緑色の水草ホテイアオイと混在し、まだら模様で水面を覆い尽くす場所が今も数多く見られる。
 
 他の水生生物への悪影響が懸念されることから、環境省は来年2月に特定外来生物に追加指定する予定という。
<京都新聞:2005年11月17日>

 一見いつもの風景に見える琵琶湖ですが、よくよく見てみると、ものすごい異変がたくさんおこっています。さらに目に見えない湖底では到底信じられない悲劇が広がっています。そのすべてが、わたしたちが引き起こしたと考えてもまったく差し支えないほどです。

京都府が温暖化対策条例案
温室効果ガス10%減目標

 京都府の山田啓二知事は18日の記者会見で、2010年度までに二酸化炭素(CO2)などの温室効果ガスを1990年度の水準より10%削減することを目標にした地球温暖化対策条例案を、12月府議会に提出すると発表した。来年4月施行を目指す。
 
 京都府によると、具体的な削減目標を掲げた条例案は都道府県レベルで初めて。
 
 京都では97年、温暖化防止のための京都議定書が採択され、京都市は府に先立ち今年4月、同様の削減目標を掲げた条例を施行している。
 
 条例案は、工場や電力会社など、電気や燃料使用量の多い一定規模以上の事業者に毎年、温室効果ガスの削減計画と達成状況の報告を義務付け、従わない事業者は名前を公表する。(共同通信)
<京都新聞:2005年11月18日>

 地球温暖化対策では、京都はもっと京都らしいこともやってほしいです。京都らしくすることで、楽しくて、誇りに思えて、ブランドづくりになって、京都のくらしにも経済にもよい対策を