第82回

2005年12月1日 菱川貞義
外来生物流入に独自の規制条例
滋賀県 国指定37種以外を対象

 琵琶湖でピラニアなどの外来生物が見つかるなか、滋賀県は、外来種被害防止法で許可なく飼育や販売が禁じられている37種以外の動植物に対しても、野外に放ったり、植えたりすることを禁じ、違反者に懲役や罰金を科す方針を固めた。こうした内容を盛り込んだ条例案を来年2月の定例県議会に提案する。罰則付きで外来生物を規制する条例を制定している都道府県はない。
 
 県内では、昨年7月に堅田内湖でボタンウキクサが大量発生して水面を覆い、今年9月には高島市沖の琵琶湖でピラニアが見つかった。また、昨夏以降、県内全域でハクビシンが確認され、アナグマやキツネの生息域が狭まることが懸念されている。県によると、条例案では、県が指定した外来生物を野外に放ったり、植えたりした者には1年以下の懲役か50万円以下の罰金を科す。指定された生物を飼育、保管、運搬する際には知事への届け出を、販売時には購入者に正しい飼育法や生態系への被害について説明をそれぞれ義務付ける。さらに、外来生物を駆除するため、県職員が民有地に立ち入ることができるようにする。
 
 条例施行後、県環境審議会の議論を経て指定する外来生物を決める。県自然環境保全課は「外来種被害防止法で指定されていない外来生物によって生態系への影響が出ている。できるだけ早く指定したい」としている。
<京都新聞:2005年11月25日>

 目にはなかなか見えないけれど、微生物の世界はどうなっているんだろう? ものすごく大変なことになっているんじゃないだろうか、と心配です。

湖水の循環、浄化の役割も
講演会で滋賀大名誉教授が解説

 「びわ湖における水の循環」と題した講演会が27日、大津市黒津4丁目のウォーターステーション琵琶で開かれた。水質浄化の役目も果たしている湖水の循環について、岡本巖滋賀大名誉教授が講演した。
 
 講演会は、県内の歴史愛好家でつくる琵琶湖歴史倶楽部(クラブ)が、2カ月に1度開催しており、この日は同倶楽部のメンバーら約20人が参加した。
 
 30年間、琵琶湖の水温や流れについて研究してきた岡本名誉教授は、冬場の季節風の圧力で、湖面の水が湖底にもぐり込み、琵琶湖全体で水が循環している現象について説明。「酸素を多く含んだ湖面の水が、湖底に酸素を送り込んでおり、湖の浄化に役立っている」と述べると、参加者は熱心に聞き入っていた。
<京都新聞:2005年11月27日>

 四季がちゃんとあるというのは、いろんな場面に影響しているんですね。でも、きっと目には見えないところでも、たくさんのかかわりがあると思います。

13年以降の枠組み焦点
28日から 京都議定書締約国会合

 地球温暖化防止に向けた京都議定書の批准国による第1回締約国会合(COP/MOP1)が、28日からカナダ・モントリオールで開催される。京都議定書で定めていない2013年以降の国際的な温暖化防止の枠組みについて、今後の交渉をどう進めるのかが重要議題になる。先進国と発展途上国の対立の構図を、13年以降の枠組みの議論では、どの程度解消できるかが最大の焦点になりそうだ。
 
 第1回締約国会合は今年2月の京都議定書の発効を受けて、上部条約である国連気候変動枠組み条約の第11回締約国会議(COP11)と並行して開催される。京都議定書を批准していない米国やオーストラリアは第1回締約国会合での議決権を持たない。
 
 会合では、先進国に課している温室効果ガス削減義務の順守規定や、排出量取引制度の改定などの京都議定書の運用ルールの改定も重要議題にのぼっている。いずれも、議定書の実効性を左右するテーマで、自国に有利な制度の確立を狙う各国の駆け引きが激しくなる見通し。
 
 1997年12月の国連気候変動枠組み条約第3回締約国会議(地球温暖化防止京都会議、COP3)で採択された京都議定書は、先進国に対し二酸化炭素などの温室効果ガスを2008年から12年の間に1990年比で平均5・2%削減することを求めている。
 
 13年以降の取り組みについて、これまで発展途上国が議論に入ることを拒絶してきた経緯があるが、議定書では遅くとも05年に議論を開始することになっており、モントリオールでの第11回締約国会議や第1回締約国会合で前進することが期待されている。
<京都新聞:2005年11月27日>

 ほんの数パーセントの対策も、いまだに実施できないでいますが、2050年までに排出量を半分以下にしても楽観できないほど深刻な状況を、人びとが理解しようとしないのはどうしてでしょうか。やはり目に見えないものは無視するだけなのでしょうか