西川嘉廣さん
西川嘉右衛門商店会長

第12回
ヨシ、協力しましょう!
2001年10月24日 菱川貞義
 突然おじゃまし、あわただしい取材になってしまって、
菊井さん、本当にすみませんでした。
 
 また出直しますといって、かわらミュージアムをあとにしました。
 
 もっと菊井さんの話を聞きたかったなぁ。
かわらミュージアムの展示も見たかったなぁ。
 
 西川さん、今日はほんとうにありがとうございました。



 すると、2日後に菊井さんからメールが届きました。
そこには、聞き足りなかった“ヨシ笛”のことが
ていねいに記されてあったので、少し紹介します。
 

 私は、ヨシ笛音楽を普及することによって間接的ですが、ヨシ、自然、水、動植物の環境保護の啓発を兼ねて演奏活動をしております。
年間平均しますと、1ヶ月に1〜2回の割でコンサートを行っています。
コンサートと言っても自分のコンサートではなく、環境を考えるつどいや関係するイベントに出演をしております。持ち時間は20分のときもありますし、啓発のお話しをしながら最大2時間ということもありました。
会場は、公民館から大ホールまで様々です。
 
 私の最大の目的は、日本ではじめてのオリジナルの形式のヨシ笛を、まず、定着させたいこと。二つ目にはヨシ笛音楽を普及させたいこと、三番目に自然保護を考えてもらいたいことです。
 
 ヨシ笛音楽は、あくまで独創的でオリジナルのヨシ笛の音楽にこだわっています。
今までにない音楽形式を目指しています。だから、郷土芸能とかアトラクションにとの依頼の場合はお断りしております。
ではなく、あくまで自然の息吹、はぐくまれた命と発する声、素朴で地域性のある小さな音楽文化をイメージしています。
 
 ヨシと人間の命との関係はすごく深いものがあります。それを音楽で伝えたい訳です。長くなって説明し切れませんが、またお越しいただいたときにお話します。
 
 あれから、
菊井さんとはまだお会いできていませんが、
びわこ市民研究所のことはよく見てくださっており、
つい先日も、
これからはじまる、ヨシに関する市民研究に協力しましょう。
というメールをもらっています。
 
 うれしいです。
西川さんも、

「11月に滋賀大の教育学部の附属中学で、授業の一環として、子どものフィールドワーク的なことについての講師をやってくれといわれていたり、12月にも八日市中学で同じようなことがあって。いいことなんだが、その時だけのものなんや。びわこ市民研究所には“継続性”に期待しているんだ。つながった人たちの活動が続くことが大事。」
 

 そうですね。
“これは環境とくらしにいいんだ”という信念があれば、
とにかく続けることですよね。
 
 菊井さん

「近江八幡でアンサンブルが誕生しました。会員数19名で来年から正式に活動します。守山市ではすでに、自主活動によるヨシ笛教室がスタートしています。」
 

 ヨシ笛をどうしても欲しいという方で、数ヶ月かかってもかまわなければ、
予約を受け付けています。
ヨシ笛の申し込み及びヨシ笛のアンサンブルへの加入は、
次のメールあてにお申し込みください。
s-kikui@mrj.biglobe.ne.jp

(次回につづく)  


 菊井さんのヨシ笛を見ていると、ヨシと楽器は特殊な関係に思えるが、実はそうでもないようです。
 
 遊びの王様ともいえるヨシは、音を楽しむ道具としても昔から親しまれていました。
 葦笛としては、
●葉を用いる“アブ笛”(アブが飛んでいるような音を出す)
●まわり“アシ笛”、“葉卷き笛”(昔から伝わる有名な草笛)
●葉鞘を用いる“葉サヤの笛”
●茎もしくは根茎を用いる“パンパイプ”(その名は牧神パンと妖精シュリンクスにまつわるギリシャ神話に由来している)

 
 
 そして、ヨシ製のリードを用いているリード楽器としては、
●オーボエ
●クラリネット
●サクソフォーン
●篳篥(ひちりき)
などがあります。
 ※リード[英語、reed;日本語、舌または簧(した)]は、葦、竹、木、金属などで作られた弾力性のある小さな薄片で、これを管楽器(主に木管)の吹口につけ、一方を固定して空気を送り込み、他方を振動させ発音源とするもので、篳篥のリードは葦を使うため蘆舌(ろぜつ)と呼ばれています。
 
(西川さんの論文「ヨシと人の暮らしとの係わり」からの情報)
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