奥田修三さん
安土西の湖観光

第3回

“知識がつく”という責任

 
2002年6月20日 菱川貞義
大きな湖を人間がなくすことができるなんて思わなかった。
琵琶湖の水を人間が調節できるなんて知らなかった。
 
魚も鳥も草もみんな人間が勝手に調節できるというの?
 
近所のお菓子屋がなくなったときは
とてもかなしかったけど。
 
 
土がコンクリートにかわったとき
ビー玉あそびができなくてこまったけど。
 
内湖を失った漁師の奥田さんは
もっともっとこまっていたんです。
 
 
(奥田さん)
 わたし考えてみたら、内湖は琵琶湖よりもプランクトンが多い勘定ですわ。それで内湖から琵琶湖へ水が出るところはエサがいっぱいあるので、魚がどんどん内湖へあがってくるんです。
 
 この辺の内湖は深さがだいたい1m50cmぐらいしかないんですよ。余呉湖とかはすり鉢状になってますけど、内湖は理想的な産卵場になっているんです。そこへ魚は分かっているからいっぱい入ってきて、ヨシ地で産むんです。
 
 きれいなところで産むハスだとかアジはなかなか入ってきません。コイやとかフナがどんどんどんどん入ってくるんです。すごいんです。そやけど内湖がどんどん干拓されて魚もどんどんへってしまった。
 
 
 モロコは水温に敏感で、3月の中旬から、琵琶湖から内湖にあがってきて産卵するんですが、夏になったら1匹も内湖にはいません。冬もいません。昔はモロコが琵琶湖のどこにいるのかだれも知らんかったけど、いまは竹生島のほうのあそこで冬眠していると知ってしまったから、情けないことにみんなそこを狙うて、それでいっぺんに少なくなってしまったんです。
 
 (つづく)

奥田さんの西の湖・水郷めぐり
 奥田さんによると、3月の西の湖は1年のうちでももっともみすぼらしいということですが、とんでもありません。USJより楽しくっておもしろいです。残念ながら写真ではその楽しさが伝わらないですけど。
 
 すばらしい景色が次々飛び込んできます。さて、お次は?

西の湖の漁具と漁法(福沢常一さん)
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