2003年3月13日 百木一朗
コクヨのエコ文房具販売 第1回

環境マークをつけたノートなどが増えてきたが、その買い方にも気を付けねば……

 
お話をきいた課長の高橋伸年さん(右)と塚田祐介さんです
 
商品を前に質問に答えてくれる高橋さん

「不必要な文房具まで買わないでください」
文房具を販売する会社の人にそう言われると、ちょっと変な感じがします。

 営業マンは一つでも多くモノを売らなければいけないはずだが……。
「しかし、無駄になるといけませんから。それに、僕らの仕事はお客様から信頼されることが一番大切で、それだと長いお付き合いをしてもらって、結局たくさん買っていただけるわけです」

 コクヨ近畿販売株式会社の高橋伸年課長にお会いすると、そんな言葉がでてきました。

 同社はコクヨの文房具やオフィス製品の卸しを行う会社で、小売店や代理店に対して販売する。だからお客さんに直接に商品を売るわけではないのですが、小売業の人といっしょにこれからの販売を考えている。高橋さんに環境と文房具販売についてお話を聞きました。

 大きな会社とも取引きしているが、会社なら使う文房具の量も多い。まとめて注文をもらうが、余分余分に発注される方がある。今は配達の体勢もしっかりしているから、余分に買って在庫してもらうのでなく、その時に必用な分だけ注文されたほうがいいですよ、と語りかけているということです。

「例えばファイルを余分に買われて、いずれ誰かが使うから良いっていうものの、日に焼けて結局使わずに放置される事があるとしたら、それは無駄ですよね。僕らもあまり嬉しくありません」

 グリーン購入するにも買い方まで考えてほしいという話は、なるほどと思いました。

 僕は製品開発のデザインの仕事をしているため、環境に配慮した製品に特に関心があります。この欄もそのような「ものづくり」をしている方に主にお話を聞いてきました。
 正直言って販売ということには余り関心がなかったわけです。しかし言われてみれば、たとえ作る時に環境に配慮していても使用しない分まで買われているとしたら、その意義はガックリ落ちることになるでしょう。

 売り方・買い方のところも含めて環境商品が生きてくる。余分な買い物の他にも、購入に無駄なエネルギーを使わないなど色々あり、注文のシステムも良いのを用意している、というのです。
 確かに、エコマーク付きかどうかだけの話では片手落ちです。

(つづく)
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