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第1回 「よみがえれ、守山のゲンジボタル」を合言葉に |
2011年5月26日 島本 愛美・占部 春樹 |
琵琶湖の南湖東岸、守山市の琵琶湖大橋の東から烏丸半島の北にかけての「赤野井湾」と呼ばれる入江は、かつては琵琶湖有数の魚場で、湖底が見えるほどの清らかさを誇っていた場所でした。 赤野井湾の美しい姿を取り戻そうと、現在、多くの団体が力を注いでいます。そのうちの一つで、多彩な活動を精力的に実践している、NPO法人びわこ豊穣の郷による「赤野井湾湖岸・小津袋クリーン大作戦」の日におうかがいして、副理事長・金崎いよ子さんにお話を聞きました。
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赤野井湾の水はごちそうだったんですよ 赤野井湾に対して何ができるか |
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赤野井湾に対して私に何ができるだろうと考えた結果、思いついたのがゴミ拾いでした。参加メンバーは昔の琵琶湖を知っている人が多いです。きっと皆さん、「琵琶湖に恩返しがしたい」「綺麗だった琵琶湖をもう一度よみがえらせたい」という思いがあるのではないでしょうか。専門の知識も技術もいらない誰にでもできる活動なので、多くの人に参加してほしいですね。 |
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ホタルの次はシジミの復活 「昔は、お客さんが来ると舟で赤野井湾に出て綺麗な水を汲みに行って、それでお茶を出していたものだ」と、年配の方に聞いたことがあります。赤野井湾の水はごちそうだったんですよ。それに赤野井湾ではシジミがたくさん取れたそうです。シジミの放流もやってみたのですが、流れがなくなったせいか、富栄養化で水草が茂るからか、生育に必要な砂が運ばれず、泥が堆積してしまって、シジミが育たなくてかわいそうでやめました。浚渫されてもすぐ元に戻ってしまうんです。いつかまた赤野井湾でシジミが取れるようにすることが最終目標です。 |
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市内の川はすべて琵琶湖につながっています。赤野井湾を綺麗にするには、まず川を大事にしないといけないことに気が付いてください。私たちの活動は気付きの場の提供に過ぎません。例えば、ホタルの幼虫が登れるよう河川にホタルブロックを設置したとしてもそれだけでは駄目で、その後の手入れ、つまり長年に渡る地元の人たちの協力が必要です。気付いて、行動を起こして、それを継続してもらうことが願いです。 河川環境のバロメータであるホタルは、皆さんの協力のお陰で少しずつですがようやく町に戻ってきました。川が綺麗になったのなら、いつか赤野井湾も綺麗になると信じて活動を続けます。 |
「よみがえれ、守山のゲンジボタル」を合言葉に 皇室への献上品や天然記念物に指定されながらも、川の汚染と共に絶滅してしまった守山のゲンジボタル。 1996年、ゲンジボタルが再び飛び交う町を目指して、地域住民の手によって「豊穣の郷赤野井湾流域協議会」が発足しました。市内100箇所で年5回、水質や流量などを15年にわたって調査し続けており、その間、組織をNPO法人化(NPO法人びわこ豊穣の郷)しながら、機関紙やホームページで水環境保全の大切さを広く呼びかけています。 |
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また、ホタルを呼び戻すために、地域の自治会、企業、商店、団体、各家庭などが自主的に連携してさまざまな努力を続けています。その活動が実を結び、市内の水路にはゲンジボタルが生息できるようになりました。「守山市ほたるの森資料館」では、守山市出身で全国ホタル研究会を立ち上げた南喜市郎氏の研究結果を取り入れ、ゲンジボタルの研究と近い将来の自然発生を目指しての人工飼育が行われています。 |
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守山ほたるパーク&ウォーク ホタルを通じて河川環境を守ることの大切さを広めようという目的ではじまったイベント。守山駅から「守山市ほたるの森資料館」までの約3kmの散策コースの間を、幻想的な光を放つホタルたちが舞い飛びます。 |
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「パーク&ウォーク」とは所定の駐車場にマイカーを駐車し、エコバスに乗り換えて、市内のホタル飛翔地を散策する方法です。交通渋滞や迷惑駐車が減るため、環境にやさしくホタルを観賞することができます。 |
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+++++++++++++++++++++ 2011(第8回)守山ほたるパーク&ウォーク |
++++++++++++++++++++ 開館時間9:00〜16:30 |
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ホタルの森資料館 キャラクター「もぴか」 |
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++++++++++++++++++++ 「ほたる探検紀行」イベント 6月11日(土)12日(日) 守山市内の各店舗が参加するイベントで、ガイドマップを手に、ほたるを眺めながら守山の町を探検します。期間中に発行される「ディスカバリーチケット」と引き換えに、各店が趣向を凝らした一品を提供し、守山の町の魅力を丸ごと体感することができます。 |
つづく |