西川嘉廣さん
西川嘉右衛門商店会長

 
 
  ヨシ博物館とは? 
第116回

青いヨシもおもしろい

2004年10月7日 菱川貞義

 話は前後しますが、8月10日にヨシの実験ほ場を見学したあと、重野さん宅で「青いヨシ」を使った食品の試食会が開かれました。食卓には、参加者のみなさんが想像もしていなかった試作品がならんでいました。

 みなさん、ヨシのとんでもない可能性にたまげた様子です。しかも、どれもおいしいのです!

 とくに、このヨシ茶の完成度には驚きました。成分もヨシならではのありがたいものが入っています。水は地元の天然水を使用しているそうです。

 重野さんの奥さんから、これまでのヨシ商品開発の歴史をお聞きしました。

 4年前、安土の女性部で何か特産品になるものを開発しろ、といわれまして、最初、豆腐のおからクッキーをつくったり、染色で何かつくったりしていたんです。

 あれこれつくっていくうちに、ヨシの葉に行きついたんです。葉っぱの香りを生かすために、ヨシちまきをつくりました。おこわもつくって、蒸し器で蒸しながら売りました。

 2年目はヨシの緑色で染色をしました。3年目は、「お茶にしたらどうか」ということで試行錯誤しました。なかなかいい色が出なかったり…。

 これ以上くわしく、いまはお伝えできないのが残念ですが、でも、まもなくみなさんの目の前に登場するはずです。

 重野さんを含め、安土町商工会よしきりの会や東近江水環境自治協議会の方々のお話を聞いていてハッキリしていることは、「環境の取り組みは決してむずかしいことではなく、くらしそのものなんだ」ということ。

 そして、もうひとつ大事なことは、「小さなことの継続的な積み重ねがやがて大きな実を結ぶのだ」という、当たり前で、でも、とてもすごいことが目の前で実際に起こっている、ということです。

 これからの、さらなる小さな行動の積み重ねがとんでもないことになる予感がします。マスメディアのみなさん、はやく取材しないとソンだと思いますよ。

(つづく)