西川嘉廣さん
西川嘉右衛門商店会長

 
 
  ヨシ博物館とは? 
第139回

西の湖美術館とは<その2>

2005年9月22日 菱川貞義

 おそるおそる建物の内部に入っていきます。ここはおそらく、織物の工場だったようです。

 いまはまったく使われていないようです。映画なら必ず事件が起こりそうな雰囲気ですが、みんなは暗い工場のなかを明るい表情でゾロゾロ歩き回っています。

「これは西の湖をきれいにするのに役立つかもしれないな」

 いったい何のことをいっているのかサッパリわかりませんが、この建物を「西の湖美術館づくり」に役立てようというのは確かなようです。

「壊したりするぐらいなら、その前に、このまま活用できる道をたのしく考えてみましょう」

 アイデアのヒントは、やはり“ヨシ”です。

 工場を後にした一行は、あれこれアイデアをめぐらせながら、またゾロゾロ歩きはじめました。ほんの少し歩いたところで、もう西の湖に行き着きました。

 
 行き止まりでみんなはさらにアイデアを膨らませています。ここではアイデアが行き詰まることはないようです。

 ああ、はやく、西の湖で泳いだり、水を汲んでお湯を沸かして、ヨシ茶を飲んだりしたいなぁ。

 しかし、みんなはまた別の目的地をめざして出発しました。

(つづく)