西川嘉廣さん
西川嘉右衛門商店会長

 
 
  ヨシ博物館とは? 
第141回

西の湖美術館とは<その4>

2005年10月20日 菱川貞義

 夕日に向かって船が走りはじめました。

 8月の終わりの西の湖です。このころのヨシ原はとくに目立った特長はないのですが、ぼくは、新緑のヨシ原とか、黄金色に輝く枯れたヨシ原と同じくらい、8月、9月のヨシ原に味わい深い魅力を感じます。

 青々としたところと、枯れたところが同居し、しかし力強く生きている姿を感じます。

 いつの間にか、みんながヨシ原の魅力に引き込まれています。しばし沈黙の時間が流れていきます。

 すると、船はどこかの岸に着きました。みんなは船を降りて、また歩きはじめました。何の変哲もないヨシ原を眺めています。

 しかし、このヨシ原は特別な存在です。春に青刈りをした実験ほ場なのです。一 度すっかり刈ったのに、まわりのヨシと同じくらい大きく成長しています。これは、東近江水環境自治協議会がすすめている環境コミュニティ・ビジネスの取り組みです。

 
とうとう、日が沈んでいきます。

「西の湖って、きれいだなぁ」

「水も飲めるぐらいきれいにしたいなぁ」

(つづく)