西川嘉廣さん
西川嘉右衛門商店会長

 
 
  ヨシ博物館とは? 
第142回

西の湖にニッコーがやってきた

2005年11月3日 菱川貞義

 9月18日、まだまだ暑い日が続くなか、でも西の湖では、秋らしい、涼しくさわやかな風が流れていました。

 今日は、「西の湖にニッコーが来た」という情報を受けてやってきたのですが、ニッコー(??)って何なのでしょう? 日光? たしかに西の湖も風光明媚なところですが日光と姉妹提携を結んでいるなどとは聞いたことがありません。

 ニッシー?! 西の湖に恐竜伝説なんかあったかな? 今度、西の湖周辺にまつわる民話なんかも調べてみたいです。結局、「ニッコー」は人間たちの組織の名前でした。ニッコーの一行が重野邸にやってきました。

 ニッコー(NICCO)とは社団法人日本国際民間協力会のことで、地震、津波、ハリケーンのあとの緊急災害援助や、ベトナム、アフガニスタン、ヨルダン、イラン、スリランカ等への開発援助を行なっているそうです。

 その彼らがなぜ西の湖にやってきたかというと、
「援助先の国々の水がとても危険な状態になっていて、淡水をどう守っていくのか、のシンボルとして琵琶湖をモデルにしたい」
「なかでも西の湖が注目されているので東近江水環境自治協議会の方とお話しがしたかった」
「琵琶湖の水を琵琶湖の回りの人たちがどう守っていくのか?ということに取り組んで、途上国の人の光にしたい」

 日本国際民間協力会では、すでに環境と農業を考える場として伊香立に土地を借りていて、さらに日本国際民間協力会と西の湖がこれからお付き合いをはじめることになりました。

 ヨシ茶やヨシのケーキをいただいた一行は、そのおいしさにとても驚いていました。ヨシのケーキは枯れヨシの粉が入っています。そうしてから枯れヨシの粉末を手にすると、ケーキを食べたあとだとなんだかおいしそうにみえるのが不思議です。

 話し合いが終わり、やっぱり気になるのは西の湖です。みんなで西の湖にやってくると、今日は菱が湖面にびっしり生えていました。菱の実は敵から身を守るための道具として有名ですが、むかしは庶民の身近な食物でもあったそうです。こんなにいっぱい食べ物が湖面にあるのに、なんだかもったいない。ついつい、みんなは菱の実をかじっていました。

 食べられなくなった菱の近くに使われなくなっている建物を発見しました。前回発見した工場跡とはまた別のものです。屋根にカラスが並んでこちらの様子をうかがっています。

 隣に堰があります。 建物のなかにも異様な機械が見えます。ひっそりとしていますが、なんだかいまにも動きだしそうなこわさもあります。この機械がうなりをあげたら、いったい何がどうなるのでしょうか?

 でも東近江水環境自治協議は、この建物の使い道も考えているようです。

(つづく)