第88回

2006年1月19日　菱川貞義
道頓堀川で真珠「開貝式」
水質浄化目指し養殖
　水質悪化が目立つ“水の都”大阪の道頓堀川で、水質浄化のため養殖されていた「道頓堀真珠」の「開貝式」が９日あり、引き上げられた約１００個の貝を手渡されたオーナーは自らナイフで貝を開き、白やピンクに輝く真珠と対面した。
　
　真珠の母貝イケチョウガイは、１日にドラム缶１本分の水を浄化できるとされる。これに目を付けた特定非営利活動法人（ＮＰＯ法人）「大阪・水かいどう８０８」（須知裕曠理事長）が、２００３年に道頓堀川での養殖を開始。貝１個５０００−７０００円でオーナーを募り、約９０人が参加した。関係者は「川の浄化に目を向けるきっかけになれば」と願う。
　
　兵庫県伊丹市の鈴木悠大ちゃん（３つ）は、貝の中から大小約１０個の真珠を見つけ出して「きれい」とニッコリ。祖母の易子さん（６１）は「道頓堀川は大阪を代表する川。きれいにしたいと思い参加した」と話した。（共同通信）
＜京都新聞：2006年1月9日＞

　西の湖の語りべ漁師の奥田さんがよく見せてくださるイケチョウガイ。奥田さんによる水浄化の実験も見ましたが、浄化力はすごかったです。奥田さんの話を聞くと、イケチョウガイだけでなく、湖や川が自然な状態で浄化されるように生活を改めることも考えさせられます。
湖国の絶滅恐れ魚種６種
目撃情報を　県琵琶湖研ＨＰで募る
　滋賀県内の内湖や川、用水路でかつてはよく見かけた魚種の生息状況を把握するため、県琵琶湖・環境科学研究センターは３１日まで、絶滅の恐れのある魚種６種の目撃情報をホームページのアンケート調査で募っている。
　
　対象魚種は、県が絶滅危惧（きぐ）種に指定するアユモドキ、イチモンジタナゴ、カワバタモロコ、ハリヨ、ワタカと絶滅危機増大種のホトケドジョウ。アンケートでは、目撃した魚の種類や数、発見場所、日時、捕獲方法などを詳しく尋ねている。
　
　在来種の減少要因はこれまで、内湖の干拓や外来魚の侵入、湖岸堤の建設など琵琶湖全体の環境の変化でとらえてきた。ところが、個々の魚に対する具体的な減少要因は特定できておらず、どの魚種がどこに、いつまで生息し、どういう環境の変化で減ったかを分析するために計画した。
　
　同センターは２月までに、内湖で最も在来魚種が多い近江八幡市の西の湖周辺で、地元住民に対する同様の聞き取り調査も予定している。
　
　調査を担当する西野麻知子・総括研究員は「生息場所や減少要因が判明すれば、魚種によって求める環境要素が絞り込め、保全にも役立てられる」と話している。
　
　ホームページアドレスはhttp://www.lberi.jp/まで。
＜京都新聞：2006年1月12日＞

　そういえば、とっても身近な存在のカエルも相当数の種が絶滅したり、その危機に瀕しているそうです。すぐ足下の環境もじっくり考えたいものです。
生ごみ再生肥料いかが
滋賀の環境団体が仲介ネット組織へ
　事業者の生ごみで作った堆肥（たいひ）を農家に有効に使ってもらうおうと、環境団体「おおつ環境フォーラム」生ごみリサイクルプロジェクトのメンバーが、滋賀県内の企業と農家、自治体を結ぶ「環琵琶湖生ごみリサイクルネット」（仮称）を、今春にも立ち上げる準備を進めている。「湖南は企業が多く、湖北は農地が広がる。われわれが窓口となり、こうした地域を結んで『環境こだわり県』ならではの取り組みにしたい」としている。
　
　２００１年施行の食品リサイクル法は、飲食店や百貨店、ホテルなどの食品関連事業者に対し、１８年度までに生ごみ排出量の２０％を再利用することを定めている。滋賀農政事務所によると、県内では７００以上の事業者が対象となり、「生ごみを堆肥にしても使い道がない」との声が寄せられている、という。メンバーはこうした悩みに着目し、県内にネットワークを築くことを考えついた。
　
　大津市の電気部品製造会社「関西日本電気」は１９９８年から、社員食堂の生ごみを堆肥化しているが、当初は地元農家に知り合いがなく、提供先に困っていた。０３年に同プロジェクトのメンバーから近隣農家の紹介を受けたといい、「一企業が提供先の農家を探すのは難しい。リサイクルに取り組む事業者は増えており、企業と農家を結ぶ窓口が必要」と指摘する。
　
　同プロジェクトは４月に会合を開いて、県内の企業と農家、自治体が連携できる仕組みについて検討する。リーダーの森口行雄さん（６８）は「これまでは大津市域だけで活動していたが、県内全域で生産、生ごみ、堆肥、生産と循環させたい。全国のモデルケースになれば」としている。
＜京都新聞：2006年1月12日＞

　大津フォーラム、相変わらずがんばっていますね。生ゴミの堆肥化のもうひとつの問題は、生ゴミ自体の有害性です。どうすればよいのか考えている人がいますが、よい生ゴミを選ばなければならないのはかなりやっかいです。