![]() |
![]() |
第93回 |
2006年2月23日 菱川貞義
|
探れ!琵琶湖の水質改善策 赤野井湾モデル地域に農業排水など調査 滋賀県は来年度から、琵琶湖の赤野井湾(守山市)流域の河川などで、年間を通じた水質調査に乗り出す。琵琶湖で最も水質が悪い同流域(2900ヘクタール)を「モデル地域」として、農業排水や降雨時に道路から流出する汚水を含めた総合的な汚濁負荷を調べ、新たな水質改善策を探る。 県は、琵琶湖の水質保全対策として、下水道整備や湾内のしゅんせつを進めている。同湾流域の下水道普及率は、県内普及率(78・2%)を上回る88・5%に達したが、湾内や守山川など計4カ所で測定したCOD(化学的酸素要求量)や窒素、リンの数値は近年、改善されず、横ばい状態が続いている。 このため、家庭排水以外の汚濁要因も特定しようと、流域の地下水や湖岸道路の側溝を調査地点に加え、約10カ所で水質を調べることにした。流域の主な河川では、24時間で水質のデータを取り、土地利用の影響や雨で流出する汚濁負荷量をチェックする。 また、農家から農薬の種類や散布量、転作状況を聞き取ったり、湾内の水の動きや湖岸の植生状況なども調べる。 県琵琶湖環境政策室は「県内全域で流入負荷は減っているのに、琵琶湖の水質は変わっていない。新たな対策に向けて、どの時期にどのような汚濁負荷があるかを見極めたい」としている。 <京都新聞:2006年2月15日> 自然との共生を考えてみましょう。安らかになれる風景を想像してみるのもよいかもしれません。よい風景は結局環境にもよい機能をもっているのでしょう。 美しい湖国 次代に 県、原案へ意見募る 「風景づくり宣言」策定へ 美しい湖国の風景を次代に引き継ごうと、滋賀県は「湖国風景づくり宣言」の策定を進めている。諮問機関「県景観審議会と県都市景観審議会の合同専門委員会」が、琵琶湖の背後に連なる山々や広大な田園など、特色ある風景を広域的に守る理念と目標を掲げた原案をまとめたのを受け、県が県民から意見を募っている。 宣言案では、県の風景の特徴として、琵琶湖を中心にまちや山々、川などが全域で一つにまとまっていることを挙げる。昨年に全面施行した景観法が各自治体で地域の景観を守ることになっているため、宣言を基に市町の区域を越えて、県民や市町、県が積極的に風景を大切にすることをうたっている。 基本目標として、琵琶湖を中心に山々やまちなどが一体となった「ひろがりの風景」▽街道や河川などの連続する「つながりの風景」▽歴史的なまちなみなど「地域らしさの風景」―を守り育てることと、風景を大事にする人材育成を挙げている。 県自然環境保全課は「宣言は建物の高さなどを規制するものではないが、ビルや家を建てる際に、風景を守ることを共通理念にしたい」としている。意見募集は3月9日まで。問い合わせは同課TEL077(528)3481。 <京都新聞:2006年2月16日> 風景を守る。そして風景を改善することも考えなければならないでしょう。さて、どのように改善していくか。それには人の感性が大事になってきます。自然を感じる感性。地域らしさも、頭ばかりで考えるのではなく、どんどん体で地域を動き回ることで感性を高めていきましょう。 「もったいない」でエコ作戦展開 滋賀県 使い捨て製品自粛要請へ 「もったいない」をキーワードに、滋賀県は新年度、ささやかだが環境に配慮した取り組みを展開する。県内のホテルに使い捨ての歯ブラシなどを使用しないように呼び掛けたり、県庁の清涼飲料水の自動販売機を自分のコップで買えるように改良するなどだ。「エコライフの輪を広げたい」としている。 県は県旅館生活衛生同業組合を通じて加盟する約190のホテルや旅館に、ひげそりなどの使い捨て製品を置かないように協力を求める。一方、旅行の際に歯ブラシやくしを携帯する習慣を広めるため、使い捨て製品を利用しない客に、特別なサービスをできないか検討してもらう。 県庁内では、5台の紙コップ式自販機を、自分のコップで買えるようにする。コップを持参した場合、値引きしてもらえるように販売会社と交渉する。紙パック入りの牛乳は再利用できる瓶入りに切り替える。 買い物客にリサイクルへの関心を高めてもらおうと、スーパーや量販店が、これまで回収していないプラスチック製の植木鉢や白色トレー以外の食品容器などを回収し始めた場合、県のホームページで店名を紹介する。 県資源循環推進課は「実際に削減できるごみの量は少ないかもしれないが、1人1人の取り組みが積み重なって、ごみを減らす力にしたい」としている。 <京都新聞:2006年2月17日> 「もったいない」と一部の人たちはどうしてそんなことをいうのでしょうか。また、「もったいない」という人はどうして減ってきているのでしょうか。まわりにあるものが、自然からの贈り物だということを感じる人たちがつい口にする言葉なのでしょうか。最近はまた「もったいない」という人が増えてきているかもしれません。 温暖化防止、自治体レベルで 京で環境会議 自治体レベルで地球温暖化防止を考える「環境先進自治体会議」(京都市主催)は17日、国立京都国際会館(左京区)で2日目の日程に入り、テーマ別の分科会がスタートした。 環境への負担が少ない社会づくりについて参加した自治体や企業、NGO関係者が、意見を交わした。 分科会は、自治体と企業、地域住民の役割に加え、循環型のまちづくりの4テーマごとに開き、それぞれパネル討論や講演、先進事例の報告を行った。 「自治体の脱温暖化社会戦略」をテーマにした分科会では、自治体の条例制定が議題になった。東京都と長野県、京都府、京都市の担当者が出席。各自治体で制定、または制定を検討している温暖化対策条例の特色や課題について説明した。 出席者は「事業者への温室効果ガス削減義務をいかに設定し、実効ある内容にできるかが問われている」(東京都)、「マイカーなど家庭での削減もかぎになる」(長野県)などと、自治体政策の課題について意見を述べた。 午後からは分科会ごとに報告を行い、京都議定書発効1周年記念イベントなどを開催して、2日間の日程を終える。 <京都新聞:2006年2月17日> 温室効果ガスはなぜ5%すら削減することがかなわないのでしょうか。頭で考えるとむずかしそうです。 速くなった氷河の溶解 グリーンランドで観測 【ワシントン16日共同】グリーンランドの大半を覆う巨大氷河の溶解が加速、海に流れ込む氷の量が過去10年ほどの間にほぼ2.5倍になったことが、人工衛星の観測データで分かった。米カリフォルニア工科大などのチームが17日付の米科学誌サイエンスに発表した。 流出増は2000年以降、著しく、近年の温暖化が原因とみられる。グリーンランドの巨大氷河溶解は海面上昇に大きな影響を与えるため、チームは新たなデータを基にその影響を再評価する必要があると指摘した。 チームは、人工衛星のデータを基にグリーンランドのほぼ全域について2000年時点の氷河の移動速度を算出。1996年、2005年の観測データと比較したところ、移動速度が速くなっていることが分かった。 これに氷河の厚さや降雪の影響を加味して1年間でどれだけの氷が海に流出したかを推定したところ、96年は91立方キロだったが、05年には同224立方キロに増えていた。(共同通信) <京都新聞:2006年2月17日> 自然のなかにいると、地球温暖化はさまざまな地域で深刻です。みなさん、会議室で考えるのではなく、もっと自然に体をさらしながら会議をすればいかがでしょうか。 |