第97回

2006年3月23日 菱川貞義
CO2濃度は過去最高
04年、世界気象機関

 世界気象機関は14日、地球温暖化の原因となる二酸化炭素(CO2)の大気中の濃度が、2004年の世界の平均で、377・1ppmとなり、統計がある1983年以降で最高だったと発表した。
 
 温暖化を進める他の温室効果ガスのメタンと一酸化二窒素の濃度も最高を記録。世界気象機関は「CO2の濃度は、産業革命以前の推定値より35%増えた」と指摘している。
 
 世界気象機関によると、CO2は前年より1・8ppm増加。過去10年の平均では、1年当たり1・9ppmの割合で増加しているという。
 
 メタンは前年と同じ値で、統計を開始した84年以降で最高の濃度。産業革命以前と比べ155%増えたという。(共同通信)
<京都新聞:2006年3月14日>

 たしか、わたしたちはこの問題の重大性に気づき、取り組んでいるはずなのだけど。

小学校教諭向けの冊子作製
京都環きょうみらい会議

 小、中学校の環境学習の教材開発を進める「京都環きょうみらい会議」が、小学校教諭向けの冊子「環境学習ガイド」を作製し、17日公開した。水や地球温暖化問題の学習手法を、実践例を交えて紹介している。モデル教材として、府内の全小学校と乙訓地域の中学校、環境教育関連団体などに配布する。
 
 環境学習は、総合学習などでの取り組みが増えているものの、具体的な指針などはなく、系統立った学習が進めにくかった。同会議は、環境学習に関心を持つ教諭らと企業の担当者、環境団体のメンバーらで昨年7月に発足。過去の取り組みや学習案などについての意見交流を図り、共有できるモデル教材づくりを検討してきた。
 
 ガイドはA4判フルカラーで16ページ。水問題は、5年生を対象に25時間程度の授業展開を想定。企業との連携による導入や調査、水や自然を守る実践活動までを系統立てて紹介し、学習によって身につけさせたい能力や態度も示している。水環境マップ作りなどの実践例には、活動のねらいや児童の反応なども盛り込み、授業の様子をイメージしやすくした。6年生を対象にした地球温暖化も同様の内容で展開している。
 
 メンバーの1人、寺戸中(向日市)の山本美由紀教諭は「乙訓の地域に合った環境学習があってもいいのではと作製した。教える先生方にとって、コンパクトで見やすいものを目指した。新年度は中学校版も作りたい」と話している。
 
 また同会議は教材公開に合わせ、▽環境学習について学校や企業、団体で情報交換できる場を設けること▽モデル教材の提案▽環境負荷を減らす行動を進め、「環境実践」の環(わ)を広げること−を宣言する「京都議定書発効1周年記念アピール」を日本語と英語で発表した。
<京都新聞:2006年3月17日>

 環境問題に教育はとっても重要です。即効性はないにしても、いまの大人ができないことを環境世紀の子どもたちが社会を担うとき、明るい未来が築ける可能性があります。大人のように知識ではなく、体で、感覚で環境の大切さを学んでほしいです。

西の湖の漁業を取材
近江八幡でツアー 外国人特派員ら熱心にメモ

 東京を拠点に活動している外国人特派員らが17日、滋賀県近江八幡市を訪れ、西の湖の漁業の様子などを取材した。日本の内湖の現状などを伝えるのが目的。中国や韓国、イタリアなどの記者らは漁師の説明を熱心に聞き、メモを取っていた。
 
 関西国際広報センター(大阪市)が今回のプレスツアーを企画した。5カ国1地域の新聞やテレビなどの記者16人が参加した。
 
 この日は午前中、川端五兵衞市長を取材し、同市の景観保全への取り組みなどを聞いた。午後には西の湖を訪れ、70年以上漁業を続けているという漁師を取材。漁師が湖に仕掛けていた竹カゴを引き上げ、つかまえたニゴロブナやコイなどを記者たちに見せると、「1日どれくらい獲れるのか」などの質問が出ていた。中国の新聞「中国青年報」記者の林蔚さん(29)は「環境を大切にすることは各国共通の課題であり、学ぶことが多かった」と話していた。
<京都新聞:2006年3月18日>

 感覚で学ぶには、現場が大切。西の湖はそうしたメッセージ力の強いフィールドのひとつです