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第17回
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2001年11月29日 菱川貞義 |
市民の意識が企業につくらせたもの |
今年の8月に「洗剤0(ゼロ)コースつき洗濯機」が発売されました。この商品が開発されたのは大津市瀬田に工場をもつ三洋電機です。これは何か開発のうらに琵琶湖との関係があるんじゃないかと思い、三洋電機(株)ホーム・アプライアンスカンパニー商品開発センター企画部企画課の高瀬均さん、電化事業部管理部環境管理課の高橋雅俊さん、電化事業部開発プロジェクトの黒河紘一さんを10月に取材しました。 |
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「やっぱり、洗剤メーカーとの戦いになってしまった。我々は何も、どんな汚れも洗剤が要らないとは少しも言ってないんだが。」 「生活の中で、汚れても汚れなくても着ただけで洗う衣類がある。そんなものは洗剤を使わなくても電解水などで洗えるんです。こびりついた汚れなんかはまだムリなんです。これは洗剤を使う標準コースで洗ってもらうようになってるんです。」 「家庭用洗濯機で世界初なんですが、実は基本的な技術はそれほど新しいものじゃないんですよ。アルカリイオン整水器に似た原理なんです。」 |
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他のメーカーでも先に発売しようと思えばできたらしい。でも、洗剤メーカーとの戦いになったり、市場で受け入れられるかという不安もあったとのこと。 昔、泡がでない洗剤というのがあって、汚れをおとすじゃまをしていた泡をなくし、それは本当に汚れがよくおちるのだが生活者に受け入れられなかったという。「泡がでる=汚れがおちた」という、生活者が学習と体験で得た満足感に太刀打ちできなかったのだと。 |
なんだかちょっとさみしい話です。もし本当に企業と顧客が分かりあえば、もっと良い商品にめぐりあえるのにと思うと、なんとかならないのかなっていう気がします。 「それでどのメーカーもちゅうちょしていたんです。」 |
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でも、三洋電機は隣接する瀬田川や琵琶湖のために開発を決意したそうです。 「琵琶湖を預かっている滋賀県や市民の意識が高いんです。そうした市民の意識の強さがこんな洗濯機を私たちにつくらせたんです。」 こういう話はなんだかうれしいですね。市民の意識が低ければ企業はまだ何年もちゅうちょしていたかもしれなかったんですね。 ついでに三洋電機の環境への取り組みも少し伺うことができ、いずれまた取材できればと思っています。 「胡国の一員として、地球のために、暮らしのためになることを、真剣に考えないといけない時代がきたんです。」 |
企業の使命や企業が獲得している知識について、生活者にしっかり知ってもらい、対話、議論、研究する機会をいっぱいつくってほしい。とお願いしましたら、 「びわこ市民研究所の要望で、できることがあればもちろん協力しますよ。」 といっていただきました。 |
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