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第20回
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2001年12月20日 菱川貞義 |
人はなぜ行動するのか |
本格的に寒くなってきました。北の方からはあちらこちらで積雪のニュースが流れてきます。もちろん関西でも雪がふるようになってきました。 |
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でも、ほんと雪が少なくなってきましたね。30数年前、小学生のころは京都市内でも積雪を記録する日がたくさんありました。北国ではありませんが、校庭で雪だるまを作ったり、雪合戦ぐらいはときどき楽しむことができました。いまでは年に一度か二度ぐらいでしょうか、ぼくが住んでいるところでは、雪の風景がとても貴重になりました。 |
産業の発展とともに人間が大量の炭素を排出するようになり、地球温暖化が深刻な問題になっています。誰もが知っている問題です。そして誰も「地球を温めてやろう」なんて意識はしていないのに、誰もが結果的にどんどん地球を温める業務に従事しています。人類を絶滅に追いかねない問題であり、人類にしか解決できない問題でありながら、なぜか、なかなか事は進みません。 |
地球温暖化を防止すべく国際的な会議が熱心に続けられていますが、いまだに有効な解決策を人類は共有していません。その間にも、北極の氷の厚みがわずか50年で半分ぐらいになってしまいました。さらにこのままいくと50年後には北極の夏から氷が完全になくなるだろうと、研究者は警告しています。そんなことにでもなれば地球上のいのちに、とてつもない危険が迫ることになります。でも人間は「自分はまだ大丈夫」と思っているのでしょうか。 |
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温暖化防止に向けて人類が一致して行動するためには、これらの警告のほか、あと何が足りないのでしょうか。リスクコミュニケーションを研究しておられる姜永根さんは、「“利益のため”、“愛、義理のため”、“恐怖から”の3つのうちどれかがないと、人は行動を起こさないものだ。」と言っておられました。 “温暖化防止行動がもうかる”とか、“温暖化が進めば愛するいのちが危険にさらされる”とか、“あと何度上昇すれば自分を含め人類が確実に滅びる”というようなことがハッキリとイメージできるなら、人は確実に温暖化防止行動に移ることでしょう。 ほかにも何か、人が行動するために有効な手だてはないでしょうか。自分の体に眠っているかもしれない“子どもの心”を思い起こしてみましょう。 「楽しい!」 「おもしろい!」 大人だって楽しいことやおもしろいことには夢中になれるはずです。いろいろ考えてみましょう。温暖化防止行動を楽しくする制度やまちづくり。おもしろくする事業計画やエンターテインメントの開発・・・。 |
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かけがえのない地球環境を守れて、しかも楽しめる行動。ついでにもうかってしまったりすると、おもわず温暖化を防止したくなります。 |
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