西川嘉廣さん
西川嘉右衛門商店会長

第20回
ヨシで「環境教育にヨシ!」となるか
2001年12月20日 菱川貞義
 体験、自主性、学習、地域、社会、環境教育、教育過程、、、複雑にからみあう因子をひも解きながら、ヨシを評価しようという動きです。

植田さん
「卒業証書なんか、やっぱり自分がすいたものに自分の名前が入ったりするといいなと思うんですけど。まだ学習のなかでそういうものを探っていけてないんです。」
 
 
西川さん
「一気にやらずに息長くやるように考えないといけないですね。」
 

植田さん
「そうなんです。どういう位置づけでやるのかというのも教育課程上なかなか問題があるんですよ。そのなかで今回、教頭先生中心に環境部会の取り組みで、西川先生からヨシを広く学習させていただいて、なんらかのカタチでできるものなら考えていこうとしてるんです。まだ出発点にいる状況なんです。」
 
西川さん
「さっきのブルーギルとか魚の問題と同じで、大人が良い悪いを言うんじゃなくて、大人から子どもに押しつけるんじゃなくて、現状を見させて、それぞれの子どもに判断させることがいいんじゃないかと思う。」
 
「ヨシにしても、“ヨシは世界中で大事になってきている”と、それを押しつけるんじゃしょうがないんで、それぞれの子どもが何か考えるきっかけになれば、それで十分じゃないかと思う。」

 
植田さん
「環境を考えるとき、6年の学習でも、例えば空気、水、土とか、いろいろ観点がありますよね。いまはやや空気に比重が傾いているんです。COP7もありますし、地球温暖化の問題がありますので、食物連鎖とともに“植物が大切や”というものに傾いてきているんですよ。水という観点にたって琵琶湖のことを考えれば、その先にずーっとヨシがつながっていくんですよ。簡単に。」

西川さん
「ヨシは温暖化の問題にもつながるんですよ。森林破壊の原因になっているひとつに紙の原料が木材パルプ中心というのがあるが、それがヨシなどの非木材紙を使うようになったら少しでも地球温暖化を食い止める力になる。」
 
「それを押しつけるんじゃなくて、ヨシをさわったり、遊んでいるうちに、わいわいがやがややっているうちに、子どもが勝手に自分で気づいてくれたらいい。あまり“覚えてください”式のやつじゃ身に付く教育にならない。」

 
植田さん
「ぜひ、そういうふうにやっていきたいですね。」
 
 びわこ市民研究所でも大学生によるヨシの市民研究がもうすぐはじまります。そこでも、いったいどんな研究になっていくのかはやってみてのお楽しみなんです。
 
貴山さん
「学校として、もっと地域と深くかかわっていけば、いろんなところと出会っていき、いつかは、必然的に、そういう研究ともつながっていくと思うんですよ。」
西川さん
「きっと、先生方とびわこ市民研究所との接点もあるんじゃないかと思う。」
 

植田さん
「こういう活動をやるかどうかは、子どもたちに話をして、そして子どもたちがやるかどうかを決めるんです。もうかる話にのるかもしれないし、おもしろいかどうかで決めるかもしれない。」


 それで自発性が生まれる。環境がいかにおもしろいか、目立つか、もうかるか。テレビゲームよりおもしろい“環境”ってどんなものか。
 
植田さん
「そうですね、テレビゲームに勝るようなもんをつくらなだめですね。それで悩んでいます。」

(次回につづく)


 
 西川さんを取材していて、琵琶湖のまわりや他府県でも、ヨシのことを考え研究しておられる方がたくさんおられることが分かってきました。そんな方々のところへもぜひ取材に伺いたいと思います。「私もやってます」とか「あの人がやってるよ」という情報をぜひとも、こちらにお寄せください。
またはiken@shiminken.netまでメールでお送りください。

 11月2〜4日に旧八幡郵便局にて公開された『声文(こいぶみ)』イベント。
 主催した滋賀県立大学杉元研究室から「声文録」をいただきました。町の人の日ごろ抱いている589もの想いが箋(せん)に託されたのですが、その一部をここに紹介したいと思います。

 みんなで作ってほしいなあ 手をつなぐ輪、心をつなぐ和
 
 
 思春期の子どもに親は何ができるだろうか?
 ただ々信じて待ってあげる。
 「大丈夫だよ、いつでも味方だよ、いつまでも待っていてあげるから」
 

 
 今こそ想い出そう 日本人の昔の良さとこころ
 
 
 自然は自然のまんまがええんや 人間も自然のまんまがええんや
 いじくり廻すとおかしくなるんや
 

 
 八幡堀の水 とってもきたない もっときれいにならないのかなぁ
 

 
 田舎嫌いで出てはいったが やっぱり落ち着く 我が故郷
 外へ出たり、海外行ったりしましたが、結局、求めているのは近江八幡と同じものを求めてたりします。忘れ物は案外近くにあったんだな、と最近つくづく思います。

 
 
 心豊かに暮しましょう お金を遣わずに出来るから
 

 
 面白い大人の住む街になるともっといいのにな
 
 
 力強く生きる力がほしいなぁ!
 
 
 古いしきたりを打ち破り 若い人の住める町にしたい
 
 
 歩いて買い物のできる町にしよう
 子供も老人も手をつないでいっしょにね

 
 
 おじさんは戦前生まれ 五十八才
 少し世の中わかっているようだが大きな事を忘れている。
 記憶はないが戦争の悲劇を既に成人した自分の子供に教えていない事に今、気が付き恥ずかしい。

 
 
 古いけど伝統のある町並みを愛されるなら
 今生き残っている店を応援してほしい

 
 
 めまぐるしく変化して行くこの世の中で
 ただのどかさだけが残って居るこの町って
 喜んでいいのか かなしい事なのか?
 

 
 すばらしい琵琶湖があります。
 このまちに住んで18年、とても幸せに思っています。
 ずっときれいな琵琶湖であってほしいと願っています。
 夜空を見て下さい、星がとても近くに見えます。
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