西川嘉廣さん
西川嘉右衛門商店会長

第23回
ヨシ!やるぞ
2002年1月17日 菱川貞義
 これが最後のヨシ・ハーブティー。これを飲んでしまったら、もう4月までは飲むことができない。誰もがちゅうちょしていると、西川さんが、

「ぼくで人体実験が済んでいるから絶対大丈夫。」

「いえ、もったいなくて…。」
 
「ぼくだけじゃなく、何人も人体実験を済ませてる。」
「緊張する。」
 
 温かいうちに飲まないと、もっともったいない。
 みんな覚悟を決めて飲みはじめました。

 

「あ、おいしい!」
 
「菩提樹のハーブティーに味が似てる。」
 
「意外と飲みやすい。もっと飲めない味かと思った。」
 

「これ、いくらするんですか?」

 
「メニューにないものだから、お値段が分からない。たくさん来てくれているし、さっきから非常に不安。」
と西川さん。
 
「でも、こんなのがホテルのメニューにあったらうれしいと思う。」
 
 みんなのヨシ・ハーブティーに対する疑問に西川さんが次々答えます。
 
「成分に特長は?」
「まずビタミンCが豊富だから、肌にいい。」
 

「成長のはやいヨシは、味も変わるんですか?」
「採る時期で、本当に1週間ちがうだけで成分が変わってしまう。だから味も変わるだろう。」

「どうちがうんですか?」
「まだ5月の連休明けに一度採っただけだから分からない。これからシステマティックに研究する必要がある。」
 
  ここでなぜか、みんな、砂糖を少しずつ足しながら飲みはじめました。システマティックに飲もうというのでしょうか。
 
「砂糖なしだと和菓子があいそう。砂糖を入れると洋菓子にぴったり。」
 
「砂糖をたくさん入れてもいける。まったりしたいい感じ。」

 
 結論!!
「ヨシのハーブティーは絶対おいしい!」
 
 みんな飲み終わり、西川さんがホテルの方に、
「おいくらですか。」
「佐々木料理長からホテルの商品ではないのでお金をいただかないように言われています。」
 
 なんとホテルニューオウミのご好意でタダになってしまった。一同大喜び。
「じゃ、バスに乗ってヨシ原を見に行きま
しょう。」

 ぼくには見慣れたヨシ原の風景ですが、はじめてヨシ原を目の前にした学生たちはかなり感動したようです。

 
 
「気持ちいい景色、こんなところにいるのが好き。」
 
「ヨシは素材としてもとってもおもしろい。」
 
「なんとかしなきゃ、これはやればいろんな商品ができそう。」
 

「なんか、これは売れるものになりそう。」
 
「ヨシだけのショップができそう。」
 
「近江八幡の名物と組み合わせることもいいかも。」
 
 
 ヨシ原と遊びながらのアイデア会議です。
 
 
 次はヨシ博物館を見学。でも、だいぶ日が暮れてきたのでかなり急ぎ足。でも、ヨシの魅力の深さにみんなおどろいた様子です。
 
 そして最後に、西川さんと話しあいました。
「もう、スダレとかいままでのヨシ製品は売れないから、新しい商品が必要。」
と、まず西川さん。
 
「例えば、若者に向けて“ロフトで売れるような商品を作ろう!”というイメージで取り組んではどうでしょうか。どんな商品ができるか分かりませんが。」
 

「分かってたらおもしろくない。何ができるか分からないからおもしろい。それと、2003年に世界水フォーラムがある。それをひとつのターゲットにしてみてはどうかな。“こんな活用方法を考えてみました”と発表してみるとか。」

 
 
まだまだ続く西川さんとのアイデア会議は、後々のお楽しみ。
 
 
 
 
 
 (次回につづく)

 
 まだもう少し『声文』の一部を紹介します。
 
『声文』 
 
 近江八幡に嫁に来て17年が過ぎました。近所の人達も、あたたかい人が多くて、いい町だなぁと思います。皆さん、これからもよろしく!
 

 
 年寄りの住む町や、役所・病院は遠いし、スーパーへも遠い、歩いて買物のできるところも、なくなってしもうたがナ…、不便なコッチャ、困ったモンヤ!!
 
 
 八幡堀に和船の水上タクシーを走らせ、観光客誘致を行う。水上交通を、観光客の足として活用する。
 
 
 最近、自分の暮らす“まち”をゆっくり歩いたことありますか?結構、いろんなものが見えてきますよ。どうです、ちょっと歩いてみませんか?
 

 
 今の世の中、優しい心の人がなぜ苦しまなければいけないの?
 
 
 自然のもつ力はすごいね。朝日がのぼるのを見て深呼吸、かいつぶりの13羽を見ていると心がなごみ、コスモスのけなげな美しさに力づけられる毎日です。
 
 
 風にそよぐ木の葉を美しいと感じることができる心の状態を幸せというのでしょうね。
 
 
 穏やかな町です。いつまでも人々の交流を大切にしたいです。人の心も、家も、シャッターを降ろしたままにしないで…。
 

 
 古い町並みも、近代的な建物もあるけれど、どっちももう一つ中途半端…。でも、こんな中途半端な町にしか私は住めない。
 
 
 「古くて新しい町」「昔も今も近江八幡」…等々、キャッチフレーズはいくらでも作れますが、大切な事は、住んでいる人が、この町を大切に思い、誇りを持ち、安心した生活を送っているかどうか、だと思っています。
 
 
 一土木技術者になるものとして、こういう町の人々の声にできる限り、耳を傾ける余裕をもちたいものだ。
 

 
 近江商人発祥のまち近江八幡のまちづくりは、古くから商いの教え、自身を利し他人も利する(共存共栄)の心が生かされることも願いたい。
 

 
 色んな人がいて、色んな人生があって、同じ街に暮らす。
 暑い日、寒い日、色んな日があって、同じ街に生きる。お互いに分かり合える街、そんな街が好き。
 

 
 高齢者の方から、昔の近江八幡の町や、多くの知識や明るく健康で過ごすための知恵を聞きたいです。
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