西川嘉廣さん
西川嘉右衛門商店会長

第42回

ヨシ!と思ったことをやれる組織

2002年5月30日 菱川貞義
丹波さん
「これからは“情報の開示”がもっと大事になってくるんです。不正情報を隠すような事件とかが起こると、監督官庁の人を増やして見なきゃいかんというが、いくら人を増やしてもダメなんです。内部告発を促進するしかないんです。そんなことをすると企業は困るという。そうしたら内部告発をされないように、企業は自ら情報を公開するようになるのです。そういうコンセンサスをどうとるかなんです。」
 
 人間は生きているだけでも環境に負荷をかけているし、企業もそうです。環境にやさしいといっても、環境への負荷がゼロのものなんてないんです。
 
 
「ヨシ地焼きでもダイオキシンが出るんです。」
 
西川さん
「奈良の若草山焼きだってなんでも燃やせば出ます。でも問題にならない量なんです。測定技術が進歩して出るようになったといえるんです。」
 
 ただの空気からも検出されるぐらいですからね。
 
 
「ぼくは環境ホルモンで人類、いや生物は破滅に向かうと思っているんだが。マンモスがでかくなりすぎて破滅に向かったように、人間活動の歪みが環境ホルモンを生んでしまった。」

 
 
「でも、人間は恐ろしいもので、クローン技術のコピー機で『ハイ何枚』とセットしていくらでも同じ人間がつくれたら、環境ホルモンも問題のない時代になってしまうのだろうか。」
 
「似顔絵を描く人が欲しかったら、菱川さんのコピーをいっぱいつくって、そしたら菱川さんはお払い箱です。」

 
 そんな時代になって、個性がなくなってしまったらどんなくらしになるんでしょうね。自分の存在がなくなってしまうのでしょうか。
 
「中学生の頃の日記に『人間が遺伝子を操作できるようになるだろう』と書いたんだが、もちろん、その頃は夢のまた夢の話で。いまじゃ『遺伝子操作やるべしでない』と思っているんだが。だけどもし、自分の息子が死にそうになっていて、遺伝子操作で助かると言われれば、本音と建前がちがってくる。親としては。」
 
 
 それも、丹波さんが言われるように“目に見える関係”になれば、うまくやっていけるような気もするんですが。
 
丹波さん
「我々の組織も、特にお金にまつわる情報をオープンにしておく必要がある。それとNPO、NGOの存在意義がどこにあるのかは明解で、『やりたいと思うこと、好きなことができる』ということなんです。それが政界も財界も官界もみんながんじがらめになっていて、身動きが取れなくなっている。そこに切り込むことができるのは、自由意志が豊かな組織です。」
 
 ちゃんと自分たちの意志で動いている組織ほど強固なものはないと思います。それと“環境とくらし”を思う意志を育む、“気づき”や“学び”といった市民研究も大切です。
(次回につづく)

 ヨシ博物館が4月4日で開館してからちょうど1年になります。そして6月8日(土)にヨシ博物館会館1周年を祝う会が催される予定です。
 
 
ヨシをヨシとするゆるやかなネットワーク作りに向けて
ヨシ博物館開館1周年を祝う会
 
 西川先生が始められた「ヨシ博物館」がこのたび1周年を迎えられ、ヨシ保全やヨシ文化の発信に大きな貢献を果たしてこられました。
 又、博物館は「ヨシ」をキーワードとして様々な分野で活躍している人たちの情報交換や交流の場としても大切な場所となっています。
 そこで、ヨシや環境保全に関心のある人たちが集まり、当博物館のますますのご発展と参加者の交流を目的とした会を下記の通り開催します。
 お気軽にご参加いただきますようご案内致します。
日 時 : 平成14年6月8日(土) 14:00〜
場 所 : 西川嘉廣宅内(ヨシ博物館)
近江八幡市円山町188
(0748-32-2177,fax0748-32-0570)
※雨天の場合は別会場を予定(未定です)
会 費 : お一人につき1000円(但し、小学生以下は無料)
内 容 :
14:00〜16:00 交流タイム 各グループ等のイベントに参加しながら交流
(ヨシ博物館見学、紙漉き、ヨシのクラフト教室、大津絵体験等)
ヨシ商品アイデアコンテストも予定しています
16:00〜17:00 ヨシ笛、コカリナのコンサート
17:30〜19:00 懇親会
たくさんのご参加をお待ちしています。楽しいイベント等も用意していますので興味のある方がおられましたらお誘いください。(子供連れ歓迎)
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