西川嘉廣さん
西川嘉右衛門商店会長

第45回

だまされてもヨシ!?

2002年6月20日 菱川貞義
 丹波さんのような方にお会いできたことはショックであり、とてもうれしい出来事でした。そして「何か丹波さんの力になりたい」と、自然にそう思える、そんなステキな人でした。これからも何度もお会いできるにちがいない。そう強く感じました。
 
 丹波さんとお別れしたあと、西川さんに「西川さんといっしょにおじゃました島小学校に、あれから何度か取材に行き、ビオトープづくりのフィールド学習を見たりしています。」という話をしていたら、
 
西川さん
「八幡中学でも村井先生という環境学習に熱心な方がおられて、ヨシにも興味を持っておられるんや。」
 
 それは捨て置けません。連絡先を教えてください!
 
 
 後日、近江八幡市立八幡中学校の村井孝一郎先生に電話でご都合をお聞きし、4月1日にお会いすることになりました。すぐにヨシ博士にも連絡し、いっしょに中学校へ行ってもらえることになりました。
 
 4月1日の朝、八幡中学校へ行く前にヨシ博士の家に寄ると、
 
西川さん
「本当に来たんだね。」
 
 ん?????
 
<近江八幡市立八幡中学校>
 
 
西川さん
「今日はエイプリルフールだから、菱川さんにだまされているのかと思ってたんだが。」
 
 そうか!今日は4月1日だった!しまった。不覚だった。
 
西川さん
「さ、ぼくのクルマで行こう。」
  
 こうして二人はほどなく八幡中学校に着き、村井先生に出迎えていただきました。
 
村井さん
「これから環境教育をどうしようかという時に、西川先生のところへ相談に行ったんです。ヨシは、大きくは“環境”というのがあるんですが、あくまで学習の一環でやるときにヨシをどうしたらいいのかがむずかしい。」
 
 (次回につづく)

 今年の4月から京都新聞でヨシに関する連載がスタートしました。毎週水曜日に、西川嘉廣・ヨシ博物館館長の文章に日本写真家協会会員の小西孝夫さんの写真を添えて、ヨシの自然と文化の1年を追いかける企画です。滋賀県の地元の方しか見ることができないのが残念です。
 
 4月3日(水)の第1回の記事をここに紹介します。
 
これはぼくが撮影したものです
 
 かつて琵琶湖の周辺には、水路で琵琶湖本体につながる内湖が四十近くも存在していた。しかし、戦中・戦後の干拓や開発により、ほぼ半数が姿を消してしまった。西の湖は、その中で残された最大の内湖である。
 
 そこには記紀にいう「豊葦原」もかくやと思わせるヨシ群落が広がり、四季折々、独特の景観美を醸し出す。特に、鮮やかな緑のじゅうたんを敷き詰めたような角ぐむヨシ原の景は、「春色 安土・八幡の水郷」として琵琶湖八景の一つに数えられている。
 
 ヨシの刈り取り作業は、十二月に始まり三月下旬まで続く。残った切り株に火を放つヨシ焼きは、早春の風物詩である。ヨシの刈り束は、逐次、選別作業場に運ばれる。
 
 この搬送には、今も昔ながらに田舟が多く利用される。もっとも、最近では、木造の舟に強化プラスチック加工が施されたり、船外機が取り付けられるようになっている。また、農道の整備が進むにつれ、トラック輸送も増えてきた。
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