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第7回 |
2002年10月10日 東恵子 |
どんなんかな? 「中小森町文化祭」 |
「文化祭」といえば、中学や高校、大学などで開かれる恒例行事だとばかり思っていました。しかし、ここ中小森町では町ぐるみで自治会主催の文化祭があるのです。以前は運動会を開いていたそうですが、学区の運動会が10月に開かれるので、「9月は文化祭にしよう」ということになり、昨年から開催されています。 2回目の今年は9月22日(日)に行われ、敬老会や人形劇、朝市、模擬店、カラオケ大会など、お年寄りから子供たちまで1日中楽しく過ごしました。今回はその模様を紹介します。 |
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「これが100円!?」主婦大助かり |
田んぼを持っている人たちの組織である「改良組合」役員の夫は、文化祭を前に何度も会合に参加していました。何故かというと、改良組合は文化祭で朝市を開くことになったからです。 ご近所では畑で野菜を作っている家がほとんど。家で採れる野菜を朝市で売ったところで、売れるはずはありません。どんな野菜をどこで仕入れるか、などこまごまとした打ち合わせが続きました。その結果、守山や竜王からキャベツや大根、水菜、新米、ほうれん草、梨などを仕入れることになりました。 さて、当日の天気は薄曇り。朝市の野菜には都合の良い天気です。自転車で、歩行者天国となった道を公民館へと向かい、まずは気になる朝市の様子を見に行きました。 キャベツ1玉100円、新米こしひかり3キロ500円、水菜100円、大根1本150円など、日頃スーパーで買い物をする主婦なら、思わずにっこり微笑んでしまう価格です。それもそのはず、仕入れた価格を寄付金などでカバーして安くしたそうです。 |
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財布を持たずに家を出たことを後悔していたら、売り子をしている夫がそっと自分の財布を渡してくれたので、私はキャベツとお米を買いました。隣では婦人会が出しているバザーのコーナーが人気でした。 地域の人が寄付したシーツやタオル、ハンカチ、コーヒーカップのセットなどが数百円で売られていました。子供服も売っているので、成長に合わせてバザーに出したり買ったりと、お母さん方は上手に利用しているようです。 |
若者がサポートする「敬老会」 |
公民館前にはずらりと手作りかかしがお目見えしていました。かかしは、地域のお年寄りたちが作った力作26点です。「小泉首相訪朝へ」と書いたたすきをかけ、ちょっぴり雰囲気を醸し出した「小泉首相かかし」やワールドカップサッカーで日本中を沸かせたベッカムの写真を貼り付けた「(むりやり)ベッカムかかし」が目を引きました。
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公民館の中では、「敬老会」が催され、約60人のお年寄りが集まっていました。町内の65歳以上のお年寄りが招かれます。またこの日は、お年寄りが踊りなどの日頃の練習成果を披露する場でもあります。 純白のわたぼうしに身をつつんだ花嫁さんが登場し「娘よ」の曲に合わせて踊りが始まりました。娘が嫁ぐ日の父の気持ちを踊りで表現したもので、観客のお年寄りたちも「わたしらもこんな時があったなあ」と、うなずきながら見入っていました |
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舞台のそででは、青年会の若者たちがお年寄りをサポートしていました。その様子が私にはとても新鮮に映り、とても好感が持てました。全国的に少子高齢化が進んでいるといい、この町も例外ではありません。けれど、日頃顔を合わせることは少なくても、こうして若い人たちが町にとけ込み、年齢を超えてふれあっている光景にほっとしました。 |
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模擬店の「喫茶」でコーヒーブレイク |
この町の主婦は、昼間働いている人が大勢います。毎日、仕事に追われて忙しく、休みの日も畑仕事に精を出している人たちも多いから、みなさんが顔を合わせる機会は少ないみたいです。 文化祭は、近所のみんなが集まって話に花を咲かせる良い機会にもなっていました。わたしもお母さんと歩いていると、お母さんのお友達が大勢集まって来たので、模擬店の「喫茶」で一緒にいっぷくさせてもらいました。 私と同じく、昨年この町に嫁いで来た女性とも話をして「やっぱり町中で文化祭なんて変わってるよね!」「おもしろいですよね〜」っと意気投合。これからも仲良くおつきあいできそうなので、身をもって「収穫の秋」となりました。 |
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公民館に隣接する「憩いの家」では展示会が催されていました。地域の人が提供した熊沢蕃山さん(中小森町に住んでいた陽明学者)に関する資料や、子供たちの絵画などに混じって、当ホームページも印刷し、展示してもらいました。入り口のひと目をひく場所だったので、とても恥ずかしかったです。 「わかりやすいわー」「好奇心を持つのはええこっちゃ」などと声をかけてくださる方もいて励みになりました。 まだまだ知らないことばかりです。これからもたくさん紹介していきたいと思います。 |