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| 第4回 おとしぶみ |
| 2004年7月15日 みわゆうこ |
竹の子やたまねぎの皮をはがすとか、キャベツや白菜をめくっていくとか…楽しくないですか?何となく人間は「剥く」という行為に快感を覚える動物じゃないかと思う。 私の幼い頃の遊びのレパートリーの中に、この「むき系の遊び」があった。例えばツバキのつぼみ。固く結ばれた緑のつぼみをそろそろとはがしていくと、あざやかなフーシャピンクの花弁があらわれて、そのままどんどんめくっていくと黄色いおしべが出てきてゴールイン。ノゲシやタンポポのつぼみもふわふわと黄色い花がどっさり集まってうれしい。それから神社の裏の木の皮があちこちはがされていたのも、私の仕業である。もう時効だよね。 ある日、父におもしろいものを見せてもらった。バラの葉っぱが変わった形に切り取られていて、その先にロールキャベツみたいなものがぶら下がっているのだ。これは虫が葉っぱを切りとって、その中に卵を産み、包んどきyるんやと教えられた。すごい!と思った。なんて上手に巻いているんだろう。虫も子どもがすこやかに育つようにこんなにすごい技術を駆使するんだということに感動した。…がその次、猛烈に襲ってきた感情。むいてみたい。あーむいてみたーい!!! 中にはどーってこともない小さな幼虫が入っていた。ひとつむき終わると、私は目の色を変えてバラの葉をくなまく探した。そしてとりつかれたようにロールキャベツをむいてまわった。出てきた幼虫は、せめてものおわびにそっと別の葉っぱの上に乗せておく。心の奥に重苦しい痛みを感じながら。私は知っていたんだ。たぶんゆりかごから放り出された幼虫はこのまま死んでしまうやろうなって。この遊びは、一日一個にしようと何となく自分に誓った。あのロールキャベツの主は |
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(つづく) |