ゴミや下水汚泥の溶融スラグを活用して、道路の舗装材を作る技術が実現している。舗装材の名称は「トレスルー」といい、東レ株式会社の製品だ。
俗にカラー歩道というのだろうか、明るいグレーやベージュ、茶色などの舗装ブロックで、歩道や公園、スポーツ施設前の広場などに使われている。この製品は、廃棄物を資源化して作ったということのほかに、舗装材として使われたとき「透水性・保水性」の特長をもっており、その面でも環境によいものだと言える。
お話を伺うため、東レ(株)瀬田工場にある、機能資材・商品開発センターの徳田章博主任部員を訪問した。
「これなんです。大きさは何種類かありまして、レンガくらいの大きさが標準的なものです」
品物に近づいて見ると小さな石に似た粒が固められた感じである。 この粒が都市ゴミや下水汚泥の溶融結晶化スラグを焼成したセラミックなのだ。現在の標準品は溶融スラグを50%、タイルの廃材を50%くらい混ぜて使っているという。粒と粒の間にスキマがあるため、水が透過する。
透水性があるため、この舗装をした道だと、水たまりができない。 雨の日に歩いたとき水の跳ね返りがなく、滑りにくいので安全だ。
一方、保水性もあり、中に水を一時的にためるので、夏に水が蒸発し、打ち水効果で涼しくなる効果もあるという。さらにブロックの下の土に水分があると、水を吸い上げる、揚水性もある。
「透水性で保水性もあることを簡単にお見せしましょう」というので、徳田さんがペットボトルの水をトレスルーに注ぎはじめた。
水が表面にたまらずに、中へ吸い込まれていくのが見える。データー的にいうと保水能力は1平方メートルあたり12リットルもあるそうだ。注いだあとブロックを持ち上げてみたが、水は下から出てこない。少し時間がたってブロックを傾けたりすると下から水が出るそうだが、今のところは吸い込んだままだ。
そして表面をさわってみたとき、ちょっと驚いた。今まで水をしたたらせていた所が、サラサラして指に水が付かず、少しも濡れている感じがしなかったのである。
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