2002年7月11日 百木一朗
KNIのトレジャーハンティング 第1回  

手作業で解体・分別処理を行っているので97%の資源化ができている。金属の精錬もされる。しかしそれは素材のリサイクルで、パソコンとしてはもう使えない。

 
解体した部品。この段階ならまだ部品として生きのびる可能性がある。

 今回は、古いパソコンを有効活用しよう、というお話である。

 オフィスのパソコンは2年くらいで新しいものに買い換える会社が少なくないようだ。性能が日々上がるし、ソフトとの関連で新しいパソコンにしないと都合が悪かったりするからだ。そして買い換えられた古いパソコンのほとんどは捨てられてしまうのである。

 大阪にある、株式会社ケーエヌアイ(KNI)は、これら古いパソコンの処分を行っている会社である。この会社ではオフィスから処分料をもらってパソコンを引き取り、適正に処分することを主業務としている。法律に基づき環境にできるだけ配慮して行うのが方針で、具体的には、手作業で解体・分別しリサイクルに回す。かなり丁寧に分解するので、およそ97%リサイクルできており、本当にゴミとして埋め立てられたりするのはわずか3%だけであるという。

 それはそれで有効活用ではあるのだが、その「 古いパソコン」というのは、最新の性能ではないというだけで、まだコンピュータとして実は使えるもの。どこか故障している場合もあるが少なくとも中の機械のほとんどは正常に動くのだ。 同社は、処分すると約束したものは処分しなければ契約違反になってしまう。しかし、相手先企業と相談して了承をもらい、中古品の「リユース」をする方法もさぐれないか、という考えが出てきた。

 ひとつの方法は中古品として販売すること。
もう一つの方法として彼らが考えたのは、パソコンマニアの人たちに「トレジャーハンティング(宝さがし)」をしてもらおう、ということだった。

 トレジャーハンティングとは何だろうか。イベントを開いて中古のパソコンを自由に解体してもらう。そしてマニアの人に欲しい部品を格安で持って帰ってもらう。

 古いパソコンの中にも宝のように良い部品が入っていることがある。また、特別めずらしい部品ではなくても、つぶされたかもしれない機械がもう一度パソコンの部品として活用される。それは宝さがしのようなもの、ということなのだ。あまり聞いたことのない企画だが、これが大好評だったという。

 その様子を伺ってきた。

(つづく)
Copyright (C)2001 Biwako Shimin Kenkyusho all rights reserved