最新の性能ではないが、2〜3年しか使われていない正常なパソコンは、中古機として販売することが他店でも行われている。ではもっと古いものはどうか。5〜8年くらい前の機種で故障しているかもしれないものは「ジャンク品」と呼ばれ、ただ同然の値段しかつかない。
(株)KNIではパソコンの解体を業務の中で行っていることから、部品の欲しいマニアの人にジャンク品を解体してもらってはどうか、というアイデアが幹部から出た。
この事業を担当する同社の西河敦部長が語る。
「会社にアルバイトに来てもらっている人の中に、パソコンに詳しいマニアのような若い人がいるので、相談しました。ジャンク品を並べて、これを解体してもらい、中の部品を安く販売しようと思うがどうか?と聞いてみたんです」
それは西河部長によると、いつものように処分で素材リサイクルに回す品物にしか見えなかったということだ。
「そうしたら、彼らはあちこち中身をいじり、『これ! いいですね!』と眼をランランと輝かせて言うたんですよ」「それで、こういう古いパソコンに彼らが欲しいものがたくさん入っているんだなということが、わかってきました」
それからは彼らにも意見を聞きながら、どのような形で販売するのがよいかをさぐった。
結局、決めた「トレジャーハンティング」のやり方は次のようなものである。
・一日だけの中古品販売イベントを開く。
・チラシでパソコン好きのマニアなどへ宣伝しておく。ドライバーを持って来てもらう。
・ジャンク品から好きなものを解体してもらう。
・解体したら、部品の種類分けもしてもらう。
・その中の部品で欲しいものは安価で持って帰ってよい。
たとえば、ハードディスクは500円。メモリーは300円。
一般の部品は一つ100円。
ただし、
・一台を解体するなら最後まで全部解体して、分別もしてください、とお願いする。
・解体せずにまるごと持って帰るなら一台1000円。
・ほかに、やや値は張るが、きちんと動く中古パソコンの販売コーナーも用意した。
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