2002年9月5日 百木一朗
ダイハツ滋賀工場の排水処理 第4回  
 
 
処理前と処理後の水
 

市民研の菱川-- 注いでもらい…

味はどうか…

ああ、おいしいです
 
いくつもの工程を経て、少しづつ浄化する

 実はこの工場では、排水処理以外にもいろいろな環境への努力を見せてもらった。たとえば、生産中に出たゴミを分別して出す。それはほぼ100%が何らかのかたちでリサイクルされている。金属素材、樹脂のゴミ、紙ゴミ、ガラスなど。また、大気汚染に関しても様々な取り組みがある。
 しかしスペースの関係で今それらは紹介できないので、排水処理に話を絞って書いています。

 いよいよ水処理施設の終わりの所へ来た。吉村さんに、処理を終わって放流する前の水をビーカーで受けて持って来てもらう。

 透明な水が太陽のもと、きらきら光っている。水道水と並べて見るとやはり「ちょっと黄ばんでいるかなー?」とも思うが、見分けがつかない程度だ。

 紙コップに注いでもらう。
僕も飲んでみた。まったくクセのない味だ。味も透明というのだろうか、おいしい。

「飲んでいただいて大丈夫ですが、もちろん飲用にはしていません。冬は地面の凍結をとかすのに、夏は植木の散水などにも使っています。」

 吉村さんらは、竜王町との水質の約束を守るため、日々の施設点検、水質確認を休みなく続けている。
 かつて、第2次処理にあたる生物処理で、チッソの値が規制値ぎりぎりにしか保てないことがあった、と吉村さんはふり返る。
 水路が閉塞状態に近く水がうまく循環せず、大幅な改良をおこなった。工事には大きなコストもかかった。調整が功を奏して現在では改善し、COD、BODなどについても全部クリアしている。正常に稼働していて当たり前と思われる地味な仕事だが、毎日機械のスイッチを入れておけば動くというものでは決してないはずだ。

 この工場には小学生達の見学も大勢やってくる。自動車組み立てコンベアラインを見る。環境に配慮して作っていることも説明される。しかし、ここで見てきた排水処理場は見学コースに入っていない。
 「子供さんが水に落ちたら大変だ、などの心配をしています。見学できる設計にはまだなっていませんので」という。

 しかし、社会見学であれば、自動車の製造のところだけでなく、いずれこちらの見学も実現させてほしい、と思ったものであった。

(この項おわり)

*次は同じくダイハツの、自動車排気ガス浄化について紹介する予定す。
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