ザ・パック株式会社はその名のとおり、パッケージ(包装資材)の会社である。主には紙製のショッピングバッグ、包装紙、紙箱などを作っており、大阪はじめ各地に工場がある。
それらパッケージ材の紙使用は大変な量になり、プラスチック系のフィルムも使うこともあることから、環境への影響には早くから気付き、対応しようと努めてきたということだ。
例えば、1993年には既に非木材紙を使用しはじめた。サトウキビの絞りカスから作った「バガスペーパー」だ。これだと普通の紙を作るときに使う木材パルプを使用しないため、世界の森林資源を守ることにつながる。また、サトウキビの絞りカスというのは、それまでは捨てられていた物なので資源の有効活用になる。その後も研究を重ね、いま商品化している非木材紙には「バガス」のほか「ケナフ」「葦」もある。
「環境については色んな事をやってますよ」という同社「包装資料館」の館長、平田通文さんにお話を伺ってきました。
平田さんはただの管理職としての館長さんではない。長年にわたり、非木材紙はじめ、この会社の環境事業を切り開いてきた人なのだ。
東大阪市の同社大阪工場内にある包装資料館の展示を見せてもらいながら環境活動の苦労を含めて開発話をお聞きした。
「『フォレスト基金活動』というのもやっています。これは非木材紙などの出荷額の一部を森林保護基金に提供しているものです。そのお金で植林や森林調査が行われています」
非木材紙をなぜ始められたのですか?
「第一次オイルショックが起り、紙の原料が確保できるかという経験を経て、まず資源にたいする関心が強くなりました。
それを考えているうちに、これは資源の問題というよりも『環境』の問題だという理解になってきた。それで、会社としても何か実行に移したい。再生紙の比率を100%にした商品をつくった。さらにいろいろ活動しているうちに、サトウキビに行き当たったんです」
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