2002年10月17日 百木一朗
ザ・パック(株)の環境ペーパー材 第2回

バガスペーパーを使った製品例。
底にはFORESTマークを表示している。

 
小型ショッピングバッグができる前は、大きな標準バッグしかなかった
 
従来品(右)と比べると小さなバッグ

 サトウキビの絞りカスから紙をつくれるめどは立ったが、社内でも社外でも、すぐには理解が得られなかった。「ふつうの紙じゃないか」とか「コストが増えるのは困る」など。

 製紙会社にサトウキビからの製紙を依頼する。売れても売れなくても全部買い取るという約束をして。これは大変なことだ。
 社長はじめ社内の理解が得られて、バガスペーパーが誕生しようとしていた。「地球にやさしい、とか言っている場合じゃないんです。自分たちのためにそれをするんです。自分たちの未来のために。やらなければいけないことだ、と分かってもらって実現しました」

 平田さんは計画中から、反対の声が出ることも予測していた。けれども、サトウキビが原料なら行けるかもしれないと考えた。
「年輩の方はサトウキビをかじった経験をもっておられる。話すると『なつかしいなあ』といった反応をする人も多く、親しみがあるんです」
 そんなことまで考えてなんとか事業として成り立たせようと動き回った。

 そのバガスで作ったパッケージ類を資料館で見せてもらう。環境ペーパー材のコーナーがあるが、資料館はそれ以外にも包装材全般、自社製品のほか、海外の実例もたくさん収集されている。

 見学しているうちに、僕が面白いと思ったものがあった。特に「環境対応」とは考えられていないものらしいのだが、15〜6年前に作られた、従来よりも小型のショッピングバッグである。(写真三番目左)

 今ではあまりにも当たり前になっているものなのだが、OLの皆さんがお弁当を入れたりして、セカンドバッグがわりに使っているサイズだ。
 同社が開発するまでは世の中になかったタイプだった。 持ちやすく、おしゃれなものなら、紙製であっても人々が大事に使ってくれ、なかなか捨てられることがない。
これは環境商品と言ってもよいのではないだろうか。
 
 買い物が小さいものであっても、百貨店などで入れてくれるペーパーバッグは大きな決まりきったもので、もったいない、という声をきいたのが開発のきっかけだったという。

(つづく)
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