そこで欧米のものを研究したりしてショッピングバッグを見直してみたそうだ。そして、買い物が終わったら捨ててしまうのでなく、セカンドバックとして使ってもらえるくらいの良いものを作ろうと考えた。
そして幾つかの条件を見つけだした。
それは以下のようなものだ。
・従来より小型(27cm×22cmくらい)
・形が黄金比になっている
・ブランドロゴなどが入っている
・広告くさくない( 文字が小さいなど配慮)
・ラミネートしてある(水に強い・長持ちする)
・生地が茶色ではない(安っぽくない)
さらに、さげ手のヒモはそれまで手内職で結んで作っていたのを、機械貼りによるスマートなものにもした。
完成すると各企業はこぞってこのショッピングバッグを採用した。まず小さいのでコストが安くつく。また、繰り返し使ってもらえると自社のロゴが何度も街中を歩くことになるので歓迎された。作り手の意識も変わり、センスの良いデザインに洗練されていった。
小さくしたのは何でもないことのようだが、こんなところにも商品開発努力があったのだ。
別の例を見せてもらう事にする。
「バガスペーパーの次にはケナフペーパーをつくりました。これも多く使っていただいてます。また、近くの小学校でケナフの紙漉きの体験教室などをやっています。
次の世代の子供たちに環境の理解を深めてもらうと、我々としても将来良いですからね」
「開発してから比較的新しいのは、『スイアルパック』です。これはダイオキシンに対して効果があるものです」
スイアルパックは、パッケージ材に水酸化アルミニウムというものが配合されている。これが焼却されたときに役割を果たす。
水酸化アルミニウムは加熱されると「活性アルミナ」になる。この活性アルミナはミクロの穴がたくさん開いた、いわばスポンジのようなもの(多孔体)で、自らの中に他の物質を取り込む効果をもっている。
だから、焼却炉内で発生するダイオキシンなどを吸着し、大気への放出を抑制するのだ。
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