2002年11月28日 百木一朗
木童がすすめる自然木材の家 第4回

木童事務所に置かれている木のサンプル

 
太田さん宅の和室(リフォーム中)。
畳は正方形で、畳を上げると下が収納になっている。
 

リビング。右にキッチンがあり、木のいい感じのカウンターを設けている。

 ほかにも、炭の塗料で塗った壁や、正方形畳の部屋など、いろいろな工夫が込められている。リフォームにあたっては、家にある家具の寸法を全部測り、それが収まるように設計士さんに考えてもらった。だから自分たちにはとても使い勝手がよくて収納量もあるものになっている。しかし、この部屋にもし他の家族が引っ越してきたら、いろいろと合わないことがでてくるはずだ。そうだから良いと太田さんは考えている。

 太田さんは「工務店の仕事でも、うちの家をショールームがわりにして、将来こんなリフォームを提案できれば良いと思っています」という。

 木を使っていても、木であふれ過ぎた山小屋風のようにはなっていない。白い壁と木や障子紙の組合せで落ち着いている。

太田さんは、「こんなインテリアが良いと思っても、木は高いから無理だと思いこみ、あきらめている人が多いのではないでしょうか」
「昔の日本建築だと節のない木で作るのが正統とされていてそれは大変高い費用についてしまうのですが、節があってもよくて、うまく使えばちゃんと手が届く値段で出来るということを知らせてあげたい」

 住みながらリフォームはまだ進行中である。「ほぼ出来ているけれど、まだ細かいところが残っているので、楽しみながら完成させますよ」。太田さんの頭の中にはまだいろいろなアイデアがありそうだった。

 マンションもここまで変われるのだ。マンションでも戸建てでもそうだが、作ったり売ったりする側の都合で型どおりの家をつくっていてはいけない。木原さんは言う。どうも、それぞれの人の気持ちが伝わっていないのではないか。

 材木業界もそうで、日本全国の産地が木が売れないと困っている。一方でお客は、木はべらぼうに高いと聞かされ困っている。話がねじれている。

 住まい手、設計する人、工務店の人、産地の人、それぞれの気持ちをきちっと伝えること。互いの熱い想いをつなぐこと。それが最も大事なのではないかと木原さんは語るのだ。

(この項おわり)
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