前に別の製品でお話を聞いた東レ株式会社の方から「介護用・布おむつの新製品ができました。これも環境のことを考えたよい製品だと思うので見てください」との連絡をいただきました。
正直言って、「布おむつ」とはどんなものだろうかと一瞬とまどいました。「紙おむつ」をまず思い浮かべて、紙じゃない、布のそれなのだろうと、おかしな考えをめぐらしました。
それくらい、今は紙おむつが当たり前になっていると思います。
紙おむつが普及する前は布のおむつだったのだから、布の方が本家本元のはずだと思うが、紙おむつはその簡便さで圧倒的に支持され、おむつといえば今は紙しかないくらいの認識でした。(実はそうでもなく、今も布おむつは使われている。あとの文をお読みください)
紙おむつのように使い捨てではないのが最大の特徴であるとのこと。洗って繰り返し使えるから、ゴミの減量と資源の節約に役立つだろうというのが開発のひとつの目的だったそうです。
そういえば、ゴミが多くて困っている現状の中で、紙おむつというのは大きなゴミの要素なのだろうと想像がつきます。そこで、この新製品のお話を伺いに行くことにしました。
この布おむつ、商品名「ケアステージ」は東レの関係会社である滋賀殖産(株)が製造販売しているものなので、滋賀殖産(株)の相山和則部長にお会いすることになりました。東レ(株)から、技術開発にあたったファイバー加工技術室長の佐野眞二さんと、不織布担当の森浩志さんも同席されました。
「これなんですよ」と相山さんが持ってきた布おむつの実物を広げます。「今までの木綿の布おむつとは全く違うものなんです」。写真のように装着しやすいよう成型されており、外観的にはちょっと紙おむつに似ているように見えました。
吸水力を説明しようというので、相山さんが用意してあったペットボトルの水を注ぐ。「ここが今ぬれていますね。さわってみてください。ですが、わりあい早くドライ感がでてきます」
中には良く水を吸収する不織布が入っている。そして表面(肌面)には水を早く吸って表面はサラサラの快適を保つ布を使っているという。
1〜2分して「もう一度さわってみてください」。触れてみると、濡れてはいるがベチャッとした感じがもうなくなっていた。
そして大事なことは、これが洗濯業者の機械で洗われ繰り返し使用しても、その性能が低下しないで、同じものが何度も使えることだというのです。
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