2003年1月30日 百木一朗
布おむつとゴミ問題 第4回
紙おむつのゴミ。一日に約400枚。これくらいは出る
 
おむつと介護について語る足立さん
 
正面ロビーの風景

 今回の新製品の布おむつを見せて、前述の水を注ぐ実験をここでもやって見せました。「なるほど。すぐにサラッとしますね。よくできているようです。但し、まだ使ってないから何とも言えませんが、横モレが心配かなぁ……」

 とにかくサンプル品で少し使ってみてもらえるそうです。東レの森さんも「実際使われる方のご意見を聞いて、より良いものにしなければいけないので、こういうチャンスは有り難い」と言っています。

 使い捨てでなく、環境に配慮した製品なのだという重要点を説明したが、足立さんは「おむつはまず、入居者さんご自身に良いものでなければならんのです」と言われる。当然のことだと思う。

 例えば、出来がよくないおむつだと漏れる。すると服が汚れる、シーツが汚れる。替えなければならない。就寝時間中に保水力のないおむつだと、眠りを起こして交換しなければならない。生活リズムを乱す。職員の介護も大変だ。
「確かに、ゴミとしては多いですね。当施設で紙おむつを一ヶ月に約一万枚くらい捨てている事になると思います。一日で平均5回くらい替えるので、1人あたり5枚として。それに人数を掛けると一日に400枚弱です。単純計算でそれくらいになりますね」

「しかし、僕らの立場としては、ゴミ問題のことよりもまずは利用者さんが喜んでもらえるかと考えなければならない。少しでも悪くなるのなら環境に良くても駄目でしょう。逆にご本人たちが『これは気持ちええわ』と評判が良ければそれは良いのです」

 言われることはよくわかります。洗濯のバックアップ体制を確保することや、コストの問題もあるでしょう。しかし、それらがよろしいという事になれば、この製品の仕組みや、ねらっている方向はとっても良いように思います。

 老人ホームから帰ったあと、ネットなどで調べてみると、赤ちゃんのおむつでも、紙でなく布を使おうとしている人がいます。海外にもあるし、ホームページだけでもとても多い。また、女性の生理用品でも布ナプキンがあります。環境のことは別にしても、紙がいやだという人、身体のために布のほうが良いと感じている人もいます。このことも取材してみたい。

 今回は自治体のゴミ担当の方からは話が聞けませんでした。布おむつについては今後もいろいろな方から意見を聞き、追いかけて、またご報告したいと思っています。

(この項おわり)
Copyright (C)2001 Biwako Shimin Kenkyusho all rights reserved