2003年4月17日 百木一朗
長浜キヤノンのグリーン調達 第1回

難しそうな書類が山のように。

 
お話を伺った調達課の廣部徳久さん
 
ここで生産されているレーザープリンタなど。玄関近くにある展示スペースにて。

*キヤノンの『グリーン調達基準書』はキヤノンのホームページ(http://canon.jp/)から誰でも見ることができるようになっています。

 長浜市の町並みを少しはずれた、北陸自動車道に近いところに長浜キヤノン株式会社があります。レーザープリンタなどを製造している大きな工場です。

 ここはグリーン調達を率先して行っている工場として知られています。
「グリーン調達」という言葉を皆さんはご存じでしょうか?
 余り耳になじみがないという方も多いことでしょう。

 今日はこの工場へおじゃまして、担当の廣部徳久さんにその内容を聞かせてもらえることになっています。
 難しそうな書類を山のように持ってこられましたが……、わかりやすくお願いします、廣部さん。

 まず「調達」という言葉なんですが、これは工場で生産するための材料を用意することですよね? 機械を作るにはとても多くの部品が必要ですから、それをそろえる。

「そうです」

具体的には、各企業に注文して部品を作って納入してもらう事になるのですね?

「そうですね、こちらから設計図をお出しして、お取り引き様にその指定通りに作っていただくっていうことのほうが多いです。
その会社の製品を購入するものもあります。

そして、そのひとつひとつが出来るだけ環境に負荷の少ないものであるように努力しているわけなんです」

それが『グリーン調達』と呼ばれているのですね。

 これはもちろんキヤノンさんだけでなくて、今では多くの企業が実践されている事ですが、中でもキヤノングループは先進的であることは専門家も認めているところです。

 廣部さんが「グリーン調達基準書」という25ページほどの書類を取りだしました。
 取引先にこれを理解してもらい、実行にまでもっていくのが廣部さんの仕事です。部品それぞれについてチェックしますが、会社自体が環境への取り組みをきちんとしている所かどうかの評価をまず行うそうです。

 日本の製造技術は良くて、小さな町工場でも大変高度な部品を作ることが出来るというような話をテレビなどでよく言っていますが、それが環境にも十分配慮したものであることを要求している。

「私たちがお願いしている会社には、大きな会社もありますが、何十人とか、数人の会社もあります。所在地もいろいろですし業種も多くにわたりますので、全部にそれを理解していただくというのは簡単なことではございません」

(つづく)

 

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