2003年5月29日 百木一朗
長浜キヤノンのグリーン調達 第4回
いろいろな部品
このようなプリンタ製品に入っています。
 
たとえばこれの全体は樹脂だが、白っぽく写っているところには金属板が取り付けられている。他にも幾つか材質の違う小部品が組み合わさってできています。

 お話を聞いていた僕はこう言いました。
「でも、取引先企業にとっては、それはとても厳しい事でしょうね。それに合っていなければ仕事させてもらえないわけでしょう?」

 「そういうわけでもないですけれども、お願いしているわけです。優良なグリーンサプライヤーさんを優先します。
 確かに、厳しいと思います。しかし、キヤノングループは今後の企業活動には環境が非常に大事だという認識をもっています。経営者がもう何年も前から『環境に対応することが出来ない企業は生産する資格がないんだ』ということを言っております。」 

 仕事の内容では例えばこういう事があるそうです。金属の部品では、金属を曲げたりプレスするのに油をつける。そうしないと出来ない。
 作ってからその油を洗浄するのだが、洗うのに塩素系の溶剤を使っているところがある。そういうものを使わないでください、としているが、替わりになる良いものがなかなか見つからない。

 それクリアするには、新しく機械を導入するとできる方法があるが、導入には何百万、何千万円というお金がかかります。大企業ならまだよいが、数名でやっている会社だとすると、その投資はきつい。
 そこで一年計画、六ヶ月計画、などで順次対応してもらうようアドバイスを行っているということです。

 ヨーロッパでは近い将来、現在よりさらに厳しい環境基準が採用されるとのこと。鉛・カドミウム・六価クロム・水銀などについてで、世界で一番厳しいそれにも適合していこう。まだ少しだけそれに届いていないところがあるので、いま一生懸命やっているそうです。

「比較的小さな会社ですと、経営者の方に理解してもらうのに時間がかかることがありますね。グリーン調達基準書に理念が書いてありますが、まず是非これを読んでくださいよ、というところから始めます」

 「環境をまもれない企業は生産が出来ない時代にもうなってきている、っていうことを何とか理解してもらおうと毎日やっているわけなのです」

(この項おわり)

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