2003年6月12日 百木一朗
ニューパワー社の軽量風力発電機  第1回

ニューパワーの軽量風力発電機、NP-30A。

 
開発者で同社代表の岡田弘さんです。
 

準備で風車羽根を取り付けている岡田さん。発電機の機械部分を左手で押さえて作業しているのですが、このように発電機本体は掌で隠れるくらいの大きさしかありません。


*この風力発電機について詳しくはニューパワー社のホームページで見ることができます。
http://www.ex.biwa.ne.jp/~newpower/

 野洲町に「ニューパワー」という小さな会社があります。小型風力発電機の製造発売元。これを独力で開発した岡田弘さんの会社です。研究から製造まで今のところ岡田さんを含め社員2人。しかしその可能性には大変なものが感じられるのです。

 この風力発電機の一番の特長は小さく、軽量であること。二番目に、弱い風でも発電が出来ることがあげられます。

 重さは本体がたったの 2kg。支柱や付属の機器を加えても合計で 4kgくらいにしかなりません。例えば、歩いて山へ登る時この発電機を他の荷物といっしょに背負って登ることができる。細くて軽く作られた支柱は急峻な山道の杖の役目もします。そういった用途も考えて作られた装置なのです。
 風車の羽根の直径は1m、発電機の機械そのものは写真でもご覧のように両手で包み込めるくらいの大きさしかありません。

 開発には7〜8年もかかったということですが、ある程度のめどがついた頃、岡田さんは海外の様子を見ておこうと欧米へ行き、向こうの色々な風力発電機を実際に調べて、自分の作っているキカイが世界中のどこにもないほど軽量で低風速性能の良いものである事を確信したといいます。

 草津市・烏丸半島にある大型風車を以前にこの欄で紹介したことがありますが、あの風車の直径は70mの巨大なものでした。電力需要をまかなうため効率よく発電を行うには大きければ大きいほどよいというのが技術の一般的常識だそうです。
 野洲町でも、新エネルギービジョンとして風力発電の可能性が検討されており、岡田さんも委員会のメンバーに加わっておられるということです。

 それはそうなのですが、こちらの小型風力発電機のほうは、逆転の発想とでもいうのでしょうか、小さくてどこにでも持って行け、そよ風(風速2m / s以上)で回る。だから大がかりな送電線は不要で、必要な場所で手軽に電気が得られるのです。

 さっそく野外へ出て実物を見せてもらうことになりました。

(つづく)
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