2003年6月26日 百木一朗
ニューパワー社の軽量風力発電機  第2回

風車羽根は長さ1メートル。木製で分厚いが驚くほど軽いものです。

 
組み立て準備中。足元にあるのが太陽電池です
そして支柱を立ち上げ、発電機を設置します。

 さっそく野外へ出て実物を見せてもらうことにしました。
 近くにある、近江富士のふもとの公園へと向かいます。公園に到着すると、岡田さんは慣れた手つきで組立てをはじめました。発電機、風車羽根、尾翼は分解して運び、その場で組立てるようになっています。高さ3mの支柱(アルミパイプ)も組立てます。

 はじめ発電機は支柱の上でゆれているだけのように見えました。しかし、やがて風車が回りだしました。それほど強い風ではなく、木の葉がそよぐ程度の風なのに回っています。回転が強くなり「ビュー・ヒュルルルー」と音を出しはじめました。メーターの針がふれて、いま発電していることを示しています。電気は小さなバッテリーに充電するようになっています。

 太陽電池の発電を併用すると良いので、太陽電池パネルからも充電するようにつなぎます。これで風のない時と太陽のかげっている時を補完しあうわけです。それらを一旦充電して使うから供給は安定します。

 岡田さんの長年の趣味はアマチュア無線。無線機を取り出してバッテリーにつなぎ、無線交信をはじめました。発電した電気をさっそく使います。実は、この軽量風力発電機はアマチュア無線を野外で行うときの電源が欲しいために岡田さんが開発をはじめたものなのです。

 岡田さんは「山の上でアマチュア無線をすると電波がよく飛んで良い。ところが電源がいるので自動車のエンジンをかけっぱなしでバッテリーにつないでやっている人が多いです。ハツハツを使う人もあります。(ハツハツとは発動機発電機=エンジン発電機のことです)これは騒音がひどいし機械が重いので、やはり車がいる。だから多くの人が、自動車にしがみついてやってるんです」

 車が入れない山の上とかでは出来ないということですか?

「そうです。面白くないでしょう。それに今のような環境の時代でさすがに後ろめたさを感じている。私はそれよりずっと前から、そんなことは嫌だと。『せめて遊ぶ時くらいは、空気を汚さずに自前で発電してやりたい』と思って、この発電機づくりをやり出したんです」

(つづく)
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