試験管がたくさん並ぶ実験室。ここは栗東市にある滋賀県技術総合センターのテクノラボ(研究室)です。きょう紹介する、株式会社ダイゴ創景がこの一室を借りて活動しているのです。いま水質浄化の技術などに取り組んでいるとのこと。
『ヌメリとり太郎』という、ヌメリを分解するキッチンバスケットなど面白い製品を作っている会社でもあります。ヌメリが付かないヒミツは「電磁波応答型光触媒」というものにある……何やら難しい言葉が出てきたのですが……後で詳しく紹介しましょう。
ダイゴ創景は野洲町に本社がある会社ですが、ここにも研究室をおいているわけです。
この県技術総合センターは、新しい産業の芽をつくりだそうと、意欲のある企業を育成支援するために用意された施設だそうです。暫定編集長の菱川さんと百木がここを訪れました。社長の清水春好さんと技術の加来保さんが笑顔で迎えてくれます。
清水さんは「ここは入居期間が3年と決まっていて3年間しか居られないんですが、こういう所を利用できるのは有難いし、僕らは幾つかの研究のタネをもっているので、この機会に他の企業さんや大学の方と知り合ってノウハウを共有しながら環境にやさしい新しい製品を一緒につくっていけたらなぁと思ってるんです」といいます。
「その一つが、さきほどお話の『光触媒』ですか?」と聞いてみます。
「そうですね。一般販売していて、わかってもらいやすいのがこの『ヌメリとり太郎』だと思います」
ステンレス製の排水口バスケットに、PIPチタンという光触媒(詳しくは電磁波応答型光触媒)と銀で表面処理した製品。光が当たるとOHラジカルというものが出来て、それが有機物を分解します。ヌメリは食品カスなどの有機物が付いて腐敗し、そこに雑菌が繁殖するから出来てくる。それを抑制するのです。
「しかも、ふつうの光触媒じゃないんです。普通のは紫外線または太陽光(紫外線を含んでいる)が当たることでそうなるんですけど、われわれのは光の当たっていない暗いところでも、電磁波で反応して効果があるのです」
電磁波(ガンマ線、X線、紫外線、可視光線、赤外線、電波など)は身の回りにあるもので、真っ暗な所で実験しても、それらによってヌメリを減らす効果があることがわかっているのです。蛍光灯のあかりでも効くから紫外線だけの光触媒に比べて効率がよくなります。
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