2003年8月7日 百木一朗
ダイゴ創景のヌメリとり太郎 第2回
ヌメリとり太郎を持ってポーズをとってくださった清水社長
 

超撥水剤も実演で見せてもらう。撥水処理をした木片に水をかけます。写真ではわかりにくいが水を弾いています。

 

超撥水剤は瓦にもよい効果をもたらす。瓦が長年のうちに割れる原因のひとつは、瓦にしみこんだ水が凍ってヒビをつくる事にある。だから水をしみこませないとよいはずです。神社仏閣などで瓦にも木造部分にもこの撥水剤処理をすると保存に役立てるだろうということです。

 有機物を分解して雑菌が繁殖しないと、臭いも出ないから消臭効果があります。同じ技術による関連会社の「PIPチタンボール」はJR列車のトイレ消臭にも採用されているとのこと。一般の消臭剤だと薬剤を使うので補充、取り替えが必要だが、これだと交換不要でずっと使えて良い。
 PIPチタンはこのほか、切り花が長持ちするようになったり、天ぷら油の酸化を還元し、油を新品に近い状態に戻せるなどの例があります。

「ただ、僕らが困るのは、なかなか効果をお客さんに分かってもらえない事なんです」と清水さんは言います。
 ヌメリも何日も使っていて、そういえば付いていないナ、というもので、実演販売で見る見るうちに変化するわけでははい。目の前で「ホラ、消えたでしょ!」と言って納得してもらえません。

「それに、電磁波が当たるとOHラジカルが出て働くんですが、このOHラジカルを測定する機械が存在していなくて、どれだけの量が出ているかを証明できない。広告にも書けない。だから、本当に効くのだろうか……と思われがちなのです。使ってもらうと分かるんやけど、ツライとこですね」

 ところで、ほかに貴社ではどんな研究をされているのでしょうか。

「例えば、超撥水剤というのがあります。商品名はワイティプルーフというんですけど、水をはじく性質があります。自然素材などにこれを塗ると、汚れがつきにくくなったり、劣化を防ぎます。今あるものを長持ちさせてあげましょうというものなんです」

 木材のほか瓦やコンクリート、タイルにもよい。コンクリートなども水がしみ込まなければ耐久力を伸ばすことができます。水フォーラムのとき協賛して、ヨシ舟にこの撥水剤を塗ったのだそうです。
 先ほどのヌメリとり太郎は排水の汚れが減り、環境に良い。この撥水材も品物の耐久性を伸ばして資源を大切にし、廃棄物減量に役立ちます。
 
「ほかにも色々研究しているんですよ。汚染土壌をきれいにするとか」と清水さんは語ります。「このような技術研究も、我々のような小さな会社では自社だけではなかなか製品にしたり、販売するのが難しいので、幾つかの企業をコーディネートする役割が望まれているんです。いい組み合わせが実現するといい研究に発展しますし、いい事業になるはずです」

 このびわこ市民研究所サイトもそういう事の役にたつ可能性があるのではないでしょうか。ダイゴ創景さんも今後びわこ市民研に参加したいということです。そうして参加した企業、個人や大学など同士の出会いの場所になることを期待したいと思いました。

(この項おわり)
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