できるだけ「地球と生物に迷惑をかけない商品」を販売していく。
できるだけ「永持ちする商品」「いつでも修理できる商品」を販売していく。・・・ (以下続く。写真の「商品憲法」を参照)と宣言している通信販売会社があります。
『通販生活』というカタログ雑誌で知られている株式会社カタログハウスです。
地球と生物に迷惑をかけない。つまり環境についてよく考えていて、そのためには、使い捨でなく、永持ちするほうがよい。そして永く使うには修理が必要だろうから、いつでも修理できる商品を販売する。
僕はこの企業姿勢に共感をもちます。消耗品的な性質の商品もあるから全てが永持ちではないが、「うちの商品は永持ちを目指します」と、こんなにはっきりと言っている会社は余り無いのではないでしょうか。詳しい話を聞きたいと思い、東京のカタログハウス本社で、取締役・エコサービス室長の竹本徳子さんにお会いしてきました。
竹本さん「永持ち商品、言い換えると、長期使用性のある商品であるためには、メーカーさんが修理用の部品を長い年月保有してもらうことが大切です。そうすると故障しても修理がききますから、永く使ってもらえます。
また、むやみやたらなモデルチェンジをしないでいただきたい、っていうこともメーカーさんに言っています。私たちも、耐久性があるものかよく選んで、売ることに決めたら何年にもわたって売り続けます。
ほかには、02年度から当社で販売する全商品に、3年間無料保証をつけています。ただし、消耗品はのぞきますが。」
「世間では保証書はたいてい1年間ですね。それを3年にするということですか?」
「そうです。メーカーさんに3年の保証をお願いしています。しかし中には承諾いただけないところもあるので、そのときは残り2年を私どもが保証することにしています。
修理は、メーカーがやってもらえるところはメーカーさんにしてもらいますが、メーカーがクローズしている場合は、私どもが自前で『もったいない課』という修理部門を設けていまして、そこで修理を致します」
「『もったいない課』とは面白いですね」
「ただ、私どもが言っているのは『できるだけ』なんです。永持ち、の他にも、できるだけ材料に塩ビを使わない事などもあるんですが、当社は商品の材料などをすみずみまで調べることは現実的にできないわけなんです。ですからメーカーさんとの信頼関係になります。それに、すぐ完全にしようと言うと活動が止まってしまうので、できるだけ、一歩ずつでいいからそういう方向に絞っていこうと、こう考えています。
また、手入れ法や保存法の情報がある商品については、『メンテナンス通信』というものを送りまして、買った商品を永く使ってもらう習慣づくりを応援しています。
通信販売業の強みは、どなたがいつ買ってくださったのかの顧客履歴が完全にわかっているというところにあります。だから、メンテナンスのお知らせもできるわけです。」
「3年間無料保証について、メーカーは1年間で勘弁してほしいと言うでしょう?」
「そうですね。お願いしても簡単には承諾してもらえませんね。でも、『3年も持たないものをあなたがたは売ってるの?』と言われてしまうので、大変な説得の後ですけれども、3年間保証についてはかなりのメーカーさんがついてきてくれていますね。」
「ただ、御社も商品を販売されている立場で、お客さんが一つのものを永く使われると、買い換えてもらえないという心配があるのではありませんか?」
「うーん。メーカーさんだとそういう思いは、より強くあると思いますね。私たちは、お客さんが同じものをもう一辺買ってもらえるとは思わない方がいいと考えているんです。他に幾つも通販会社もありますしね。
私たちは企業信頼が一番大事だと思っています。
販売するのによい商品かどうか充分考えて決めている。保証もちゃんとして修理も徹底するし、うちで買ってもらったものは全部下取りもする。そういう一連のサービスをして信頼してもらえば、同じものを二つ買ってくれなくても、違うものを買ってくださるかもしれないし、永くお付き合いしていただく意味でそれが一番いいと思ってやっています。
ですから、買っていただいた商品をお客様が捨てないで永く使ってもらうために、私たちが出来ることをいろいろやっているわけです」 |