2001年11月8日 百木一朗

水車は頼もしかった  第3回

上掛け
上掛け(逆車)
胸掛け
下掛け

 

 水がかかる位置によって水車は、上掛け、胸掛け、下掛け、と分けることができる。

 上掛け水車は山などの坂のあるところで作られた。力が一番大きくでる。回る方向は 水の流れてくるのと同じ場合と、逆車といって、逆の場合がある。

 水車の真ん中あたりに水がかかるのを胸掛けといった。なお、上の三つは水受けが「く」の字形で、水を受け止めるようになっている。

 一番下の図の下掛け水車は水受けが平らで水の流れをそのまま利用する方法だった。

 

 当然のことながら、水車を回すにはちょうど良い位置に水が流れてくるようにしなければならない。川の流れをそこに引いてくるという事は、口で言うほど簡単なことではなかったはずだ。

 

 

 また、水車が壊れると仕事に支障をきたすので人々はそれを大事にした。

 例えば、軸受けには油を差す。また、川の流れに乗って板などが流れてくると水受けを壊すので、ゴミよけの柵が水車の手前に設けられた。ところが、そこに落ち葉などがたまるので、いつも掃除をしておかなければならなかった。

水車資料館に展示されていた水車専用油差し 


 ほかに、余りにも大量の水が流れ込むと負担が大きくなりすぎるので、堰を作っておき、場合によって水車の方へ水が行かないように、水を逃がす水路を作るなどの工夫が行われたりもしたのです。  

(つづく)

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