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第8回 人と人をつなぎ、地域に息づく あじさい。 |
2014年2月2日 菱川貞義 |
NPO法人日吉台の福祉を語る会・あじさいくらぶ |
「あじさいくらぶ」は、日吉台公民館のサークル「日吉台の福祉を語る会〈あじさいくらぶ〉」として、1992年に発足。それから10年間、町内の集会所や市民センター等で、「さろん」、「歌う会(歌声喫茶)」、「ケアルーム」などを企画実施。2002年には、町内で家を借りて、定期的に活動できる拠点として「あじさいの家」を開設し、「いつも気軽に立ち寄り、喫茶しながら地域の住民が交流できる場」あじさい喫茶室(現在は「カフェあじさい」)をオープンしました。
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楠原新一さん(利用者) 昔は、ハイキングで一日に50キロ歩いた。登山家じゃないけど、芦屋、六甲、夙川、宝塚、どこからでも山へ登る道を知っている。今は十五年ぐらいここへ来ている。誰よりも古くから。あの人より、この人より古い。幹部といっしょや。なかなか辞めさせてくれへん。歌もようけやっている。民謡、詩吟、浪曲、カラオケ、ハーモニカもやっている。最高齢やねん。
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星田清義さん(利用者) わたしはボランティアではなく、ただの利用者ですが、よく人の話を聞いています。そうすると、ここでは聞くことがひとつの仕事になります。みなさん、話しだすと止まらない。昔の話をされると、生き生きされる。その聞き役がその人のためではなく、私のためになっています。「ああ、こんなふうに生き生きとできるんだ」と。いろんな勉強をさせていただき、未来が明るくなる。自分の行く姿を見せてもらっているんです。 |
山田栄さん(利用者) ここはいいねぇ。食べたり、おしゃべりしたり、これがいいのかなぁ。元気が保てている。わたしは平安女学院の先生をやっていた。愉快な人生を送ってきて、ここでまた愉快、愉快。話していたら懐かしいことも思い出す。単独自転車で、ニューヨーク、北海道一周、琵琶湖一周、ロマンチック街道、それから90歳でベトナムを走った。いまはここで元気にしている。101歳。人生に悔いなし。(山田さんは昨年12月にお亡くなりになりました。でも、亡くなる2日前まで元気にあじさいに来られていました。) |
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細川和子さん(利用者) わたしは、まだここへ来だしてから一年ぐらいです。入りやすい場所です。すーっと入ってこれた。皆と区別なくしゃべれるところがいいです。百歳になるような方と気軽におしゃべりできるなんて考えていなかった。すごいこと。親しくしゃべらせてもらっています。ここでは、そろばんをやっています。頭にすごくいい。でも、掛け算、割り算はてんでわからへん。先生に「答えは?」って言われたら、ばんざーい。です。 |
漆谷あささん(利用者) あじさいくらぶが活動をはじめたときから、ずっと来ています。ひとり暮らしですが、おかげさまで元気です。草刈りとかのボランティアでも遠くまで歩いて行ってます。動けなくなったらここへ来れなくなるから、がんばっています。
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名子節子さん(ボランティアスタッフ) あじさいくらぶに来るようになって10年ぐらいになります。喫茶室で、うどんやコーヒーなどをお出ししています。 |
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「あじさいの家」で週2日、「カフェあじさい」を運営(火・金 11時〜15時)。地域の老若男女が気軽に、自由に交流しています。 毎週火曜日に実施している、高齢者の健康保持のために椅子に座ってできる「さわやか体操」や、認知症予防となる「リズムあそび」は人気企画になっています。また、その他の認知症予防のプログラムとしては、月2回の「そろばん講座」、食事やイベントを楽しむ「お楽しみ会」、手作りを楽しむ「ハンドメーキングカフェ」企画などがあります。高齢者が閉じこもらないでいろいろなプログラムに参加することで、介護予防につながっています。 さらに、介護を担っている家族の交流の場としての「ほっこり」は、これからのニーズに応えられる企画です。昨年実施した「コンサート付き“ほろよい夕涼み会”」は大好評でした。 このように、あじさいくらぶの交流の中から、陶芸、書道、リコーダ、ウクレレ、フラダンス、俳画、詩吟、健康体操、囲碁、麻雀、らくらくピアノと、11のカルチャー倶楽部が誕生し、元気で活発に活動しています。利用者数は年間延べ約5000人に達しています。
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あじさいくらぶ設立から22年、あじさいの家中心の活動も12年が経ち、町内に定着しました。キャッチフレーズの「あじさいは人と人が出会う交差点」は誰もが認めるところとなっています。マスコミにもいろいろなかたちで取りあげられ認められてきました。(全国ボランティアコンクール優秀賞、毎日介護賞、ハン六地域振興賞、あしたのまち・くらしづくり活動賞、ニッセイいきいきシニア大賞など)
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これからも、みなさんの応援をよろしくお願いします。 |
現在、「あじさいくらぶ」は、理事11名、会員(正会員と賛助会員)180名、ボランティアさん約60名で運営していますが、実際は、地域のさまざまな応援があって成り立っています。カフェの喫茶対応や毎月発行のあじさいニュースの日吉台各戸配布など、多くのボランティアさんの助けを借りています。また、活動資金も地域の方々からの賛助会費や寄付、バザー収益などが支えになっています。 |
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つづく |